内容説明
いま最も熱い指揮者が語る「現代音楽」入門。作曲家との交流、演奏現場での体験もまじえ、未聴の世界へと誘う語りの妙味。新鮮な発見、思わず曲が聴きたくなる。
目次
ぼくの父
ある作曲家との対話
時間
チャールズ・アイヴズ
グスタフ・マーラー
色彩
クロード・ドビュッシー
オリヴィエ・メシアン
自然
アルノルト・シェーンベルク〔ほか〕
著者等紹介
メッツマッハー,インゴ[メッツマッハー,インゴ][Metzmacher,Ingo]
1957年、ハノーファーに生まれる。ハノーファー、ザルツブルク、ケルンの音楽大学でピアノ、音楽理論、指揮法を学ぶ。1981年、ドイツの現代音楽グループ「アンサンブル・モデルン」にピアニストとして参加。1987年、『フィガロの結婚』でフランクフルト歌劇場にデビュー。1988年、ブリュッセル歌劇場でのシュレーカー『はるかな響き』上演の成功により注目される。1995‐98年、バンベルク交響楽団の首席客演指揮者(同楽団と録音したK.A.ハルトマンの交響曲全集は、各国の批評家から絶賛された)
小山田豊[オヤマダユタカ]
1963年金沢市生まれ。上智大学大学院ドイツ文学専攻博士課程満期退学。日替わりでいくつかの大学に出講する専業非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kthyk
18
オペラ劇場の指揮者、インゴ・メッツマッハーはシェーンベルクの最初の無調「三つのピアノ曲」を暗譜で演奏し、ピアニストの道を歩む。時間、色彩、自然、ノイズ、静寂、告白、遊びという7項目から、11人の音楽家を平明に解説。従来のクラシック音楽を根底から批判し、壮大な嵐の中へ。各々は自分自身の現代音楽を発見していく探求者たち。「世界が調和に満ちているなんて、一度も感じたことが無い時代、音楽にあるのも軋轢と不協和音。」というウィーンのシェーンベルクと「聴くことの悲劇」を体験させるヴェネツィアのルイジ・ノーノは圧巻。2020/12/31
忽那惟次郎8世
9
メッツマッハーは2013年に新日本フィルの指揮者に就任したので 特に現代音楽ファンには知名度はあるが この本が日本で翻訳された2010年にはあまり知られていなかったようだ。 父親の話から始まる 自らの音楽との関わりの話はとても素晴らしい 「音楽は広大な原野だ」「すべてを知り尽くそうとしたら、一生かけても足りない」前書きに書かれたこのメッセージはとても含蓄がある 自らが出会い自らの中に痕跡を残した音楽を大切にする そういうことが大切だと学ぶ。 シェーンベルクに関するエッセイがとても素晴らしかった。2023/09/29
tkdmsk
2
現代音楽の解説を軸とした半自伝的著作。アンサンブル・モデルンのメンバーとしての体験談やシュトックハウゼンとのエピソードが面白い。2015/11/30
のら
1
どんなに言葉を尽くして説明しても音楽そのものをそこから思い描くのはむずかしいなあと思った。2013/04/30
kino
1
取り上げられた現代曲の幾つかは聴きたくなる。でも、難しい。2010/11/11