出版社内容情報
今世紀最高のヴァイオリニスト,波瀾万丈の生涯。天才ホロヴィッツと共に祖国をはなれ,西側で待ち受けていたものは何だったか。政治から芸術まで,貴重な二十世紀の証言。
内容説明
1925年、激動のロシアから盟友ホロヴィッツと旅立った名ヴァイオリニスト。欧米で待ち受けていたものは…。錚々たる巨匠たちとの交流と20世紀音楽界の貴重なドキュメント。ロシア・ソヴィエト社会へのもうひとつの証言。
目次
第1章 オデッサ、少年時代
第2章 ペテルブルク
第3章 ロシア革命と演奏活動の始まり
第4章 “革命下の子供たち”―ホロヴィッツと過ごしたロシア時代
第5章 冒険の日々―ペテルブルクとモスクワ
第6章 西欧へ、ホロヴィッツとともに
第7章 ウジェーヌ・イザイとエリザベート女王
第8章 セルゲイ・ラフマニノフ―ナタン・ミルスタインアルバム
第9章 ストラヴィンスキーと演奏家たち
第10章 音楽と政治1―フルトヴェングラーとトスカニーニと
第11章 フリッツ・クライスラー
第12章 三銃士―ピアティゴルスキー、ホロヴィッツ、ミルスタイン
第13章 音楽と政治2―オイストラフとソ連の演奏家たち
第14章 わが友ジョージ・バランシン
著者等紹介
青村茂[アオムラシゲル]
1952年生まれ。北海道大学卒、ダルムシュタット工科大学を経て、現在、東京都立大学助教授。工学博士。脳の衝撃解析、コンピューター・サイエンス等の研究に従事
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感想・レビュー
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NyanNyanShinji
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ウクライナのオデーサに生まれ育つ立った本書の主人公ナタン・ミルシュタイン。やがて同世代のウクライナのピアニストであるヴラディーミル・ホロヴィッツと意気投合しデュオを結成。ロシアのみならず西欧に進出するうちにこの2人のユダヤ人はソヴィエトとなった母国に帰る道を閉ざす。ミルシュタインの言葉をソロモン・ヴォルコフ(あの『証言』の!)が書き起こした本書。歯に衣を着せずズバズバとブレない本音を撒き散らす本書はまさしく彼のヴァイオリン演奏同様の快刀乱麻の切れ味。特に同国人音楽家への言葉は切れ味があるもの愛に溢れている2024/07/26