出版社内容情報
ショパンやリストと同時代に生きたフランスの作曲家アルカン、彼のピアノ作品はその超絶技巧で知られ、今日も、高いテクニックを有する奏者からの人気が高い。しかしその人生は決して順風満帆ではなった──ロマン派のピアニズムの歴史に光を当てる評伝。
内容説明
“ピアノの詩人”ショパンや“ピアノの魔術師”リストに並び立つ稀代のピアニスト=作曲家、アルカン。19世紀のパリに生き、超人的な技巧と類まれなる奇想によってロマン主義のピアノ音楽に新境地を切り拓いた異才。その知られざる生涯と、比類なき作品の数々に光を当てる!
目次
ピアノのベルリオーズ
第1部(異才の青春;あるヴィルトゥオーゾの台頭―七月王政下のパリで;世ノ栄華ハ、カクテ移ロウ;暗がりへ)
第2部(アルカンを愛する;二〇代―悲愴な出来事;三〇代―「騎士」;四〇代―孤独な戦い;五〇代―「愛しき自由」と「愛しき束縛」;六〇代―黄昏の歌と演奏会)
著者等紹介
フランソワ=サペ,ブリジット[フランソワ=サペ,ブリジット] [Fran〓ois‐Sappey,Brigitte]
音楽学者、文学博士。フランス国立パリ高等音楽院音楽史・音楽文化領域の名誉教授。国立リヨン高等音楽院では芸術・文明クラスを創設。ラジオ・フランスで演奏会および番組放送のプロデューサーを務めている。ドイツ・ロマン主義を中心に多数の著書を出版(ロベルト・シューマン、フェリックス・メンデルスゾーン、ヨハネス・ブラームス、ロマン主義時代のドイツ音楽等)。また、18世紀から現代まで、フランスの作曲家についても著書多数(ジャン=フランソワ・ダンドリュー、アレクサンドル・P・F・ボエリー、シャルル=ヴァランタン・アルカン、オリヴィエ・グレフ等)。レジオン・ドヌール勲章のシュヴァリエおよびオフィシエ(芸術・文学)を受賞
リュグノー,フランソワ[リュグノー,フランソワ] [Luguenot,Fran〓ois]
技師。1984年、シャルル=ヴァランタン・アルカン作品の普及、演奏会企画、書籍出版および調査研究を目的としてパリでアルカン協会を設立。以来、会報の執筆を手掛ける。同協会には世界中の音楽家、音楽学者、音楽愛好家が参加している
上田泰史[ウエダヤスシ]
1985年生まれ。音楽学博士。東京藝術音楽学部楽理科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程を経て、19世紀中葉から末にかけてのパリ国立音楽院ピアノ科に関する研究で博士号を取得。2010年に渡仏、パリ第4大学でジョゼフ・ヅィメルマンに関する研究で博士号を取得。日本学術振興会特別研究員(SPD)、東京藝術大学、国立音楽大学、桐朋学園音楽部門等での非常勤講師を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。これまでに日本学術振興会育志賞、平山郁夫文化芸術賞等を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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