内容説明
「フランスとは何か」、その定義から始まって、いまだフランス国家というものが成立していなかった中世から21世紀まで、ダイナミックに変貌する音楽史を一望する。類書のない書き下ろしの労作。音楽を通して、変わるフランス、変わらざるフランスが明らかに。
目次
第1部(盛期中世の聖歌と世俗音楽―9世紀~13世紀;後期中世の新しい潮流―14世紀~15世紀前半;近代の始まり―15世紀~16世紀;ブルボン王朝初期の宮廷とパリ―17世紀前半;ルイ十四世の世紀―17世紀後半 ほか)
第2部(フランス革命とナポレオンの時代―18世紀末~19世紀初頭;王政復古と七月王政―19世紀前半;第二共和政と第二帝政―19世紀後半;第三共和政前期―19世紀後半~20世紀初頭;二つの世界大戦とフランス―20世紀前半 ほか)
著者等紹介
今谷和徳[イマタニカズノリ]
1945年生まれ。早稲田大学法学部卒、同大学院文学研究科(西洋史専攻)博士後期課程単位取得満期退学。ルネサンス音楽史専攻。現在、慶應義塾大学、共立女子大学、桐明学園芸術短期大学、立教大学、各講師
井上さつき[イノウエサツキ]
1978年東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。同大学院修士課程を経て、博士課程満期退学。論文博士(音楽学)。修士課程在学中にフランス留学。パリ・ソルボンヌ大学修士課程修了。現在、愛知県立芸術大学音楽学部教授。専門は近代フランス音楽史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こずえ
0
音楽史まじめにやる人には必要らしい。 昔1回読んだけどよく覚えてないです(小声
Hiroshi_Yasuda
0
クラシック音楽の発展史の中で、フランスの担った役割は決して無視できない。地理的にみても、スペイン、ベルギー、ドイツ、イタリア、スイス(そしてイギリス)に囲まれたフランスは、正にヨーロッパ音楽の中心地である。しかし、ドイツ音楽の歴史について書かれた書籍は数多あるのに、フランス音楽の歴史について書かれた本格的な書籍は少なく、500ページ以上の本書は、恐らくそれらの中で最大活最良のものである。
hr
0
19世期後半のフランス・オペラにおける異国趣味、ナショナリズムの高揚による他者描写・他国描写、第三共和政の植民地拡大政策。これらを結びつけて考える視点が面白かった。例えばビゼーの「カルメン」。ビゼーのオーケストレーションは、チャイコフスキーやリヒャルト・シュトラウスに大きな影響を与えたとあるが、どんなポイントでそう判断できるのだろう? 気になる。2020/01/26