出版社内容情報
音楽の本質をめぐる問いの歴史をひもとく壮大なスケールの音楽思想史。音楽そのものに本質をもとめる「絶対音楽」の理念を鍵に、古代ギリシアのオルフェウス神話・ピュタゴラスの数的秩序から、「音そのもの」へとフォーカスしたハンスリックの「鳴り響きつつ作動する形式 t?nend bewegte Formen」へ、2000年以上におよぶ西洋音楽美学の系譜をたどる。
「絶対音楽は、西洋の音楽美学史にあってもっとも影響力ある概念の一つである。それはピュタゴラスから現在に至るまで、音楽とは何か、私たちは音楽にどう反応するのかを考える基盤であった。絶対音楽は芸術のまさに本質であると考える人もいれば、芸術の逃れがたい力を無視して音楽を孤立させるものであると考える人もいる。こうして今なお論争のさなかにある概念の歴史を、本書は描く。」(「序」より)
【目次】
序
第Ⅰ部 本質は効果 〈一五五〇年まで〉
第1章 オルフェウスとピュタゴラス
第2章 同型的な共鳴
第Ⅱ部 本質と効果 〈一五五〇~一八五〇年〉
第3章 表現
音楽の力、歌詞の力
音楽と言語
音楽は言語
ミメーシス
第4章 美
第5章 形式
形式は数
形式は内容
第6章 自律性
素材の自律性
倫理上の自律性
第7章 顕示
作曲家は予言者
美しき認識
宇宙の認識
第Ⅲ部 本質か効果か 〈一八五〇~一九四五年〉
第8章 ヴァーグナーの「絶対」音楽
第9章 ハンスリックの「純粋」音楽
重要な用語
「絶対的な音芸術」/「楽音」/「鳴り響きつつ作動する形式」/「精神」/「心情」
ハンスリックの初期美学
伝統主義者ハンスリック
急進主義者ハンスリック
ゆれ動くハンスリック
第10章 リストの「標題」音楽
第11章 論争
第12章 和解
第13章 再考される五つの質
表現
「未来の音楽」以後/客観性
美
形式
絵画/文学
自律性
純粋性/自律性の応用
顕示
エピローグ 〈一九四五年以後〉
謝辞
註
訳者あとがき
引用文献
人名索引
事項索引



