出版社内容情報
5年に1度、全世界が注目するあこがれの登竜門。その華やかなステージと舞台裏では何が起こっていたのか。組織・審査員・審査基準・課題曲・選考過程・入賞者・後日談など。激動の20世紀、70余年の変遷を綴ったドキュメント、待望の復刊! 『ドキュメント ショパン・コンクール――その変遷とミステリー』(2005年、春秋社)の改題新装版。
内容説明
5年に1度、全世界が注目するあこがれの登竜門。その華やかなステージと舞台裏で何が起こっていたのか。組織・審査員・審査基準・課題曲・選考過程・入賞者・後日談…激動の20世紀、70余年の変遷を綴ったドキュメント!
目次
序 世界中の若者を集めて―ショパン・コンクール前夜
1 国家を背負って
2 復活 黄金時代へ
3 円熟と混迷の時代
4 フィーバーの蔭に―コンクールの行方
5 客席にて
結びにかえて ショパン・コンクール考
著者等紹介
佐藤泰一[サトウタイイチ]
1938年生まれ。62年、東京大学工学部卒業。富士製鉄(株)・新日本製鐵(株)技術研究者、富山県工業技術センター所長を経て、技術コンサルタント、音楽評論家。2009年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
108
素晴らしいドキュメントだ。新日鉄の技術者として活躍されながら、これほど詳細にコンクールを分析し見事な見解を示す筆者を心から尊敬する。アシュケナージ事件、ポゴレリチ大事件などのセンセーションばかりが注目されるが、著者の投げかけは鋭い:伝統重視か個性重視か、ピアニストのためのコンクールかショパンのためのコンクールか、教師偏重の審査員構成、エチュード重視の課題曲など。何より「本選の協奏曲演奏をやめるべき」との改善案には大賛成。私も、最高のショパン弾きを決める最後が、習作のような協奏曲ではショパンに失礼だと思う。2022/03/19
スプリント
11
ショパンコンクールの成り立ちと歴史。 残念ながら若きピアニスト達はほとんどが初耳ですが 時代とともに課題が変わり変容していくコンクールを辿るのは楽しい。2022/05/14
コチ吉
9
ショパンコンクールを扱った本は多く、ついこの間も読んだばかりだ。大会関係者以外からも広く感想や意見を取り上げているところが類似の本より一歩踏み込んでいる。第9回コンクールでツィメルマンよりヨッフェを上とした野村光一氏の談話がこのコンクールの性格を一言で言い当てている。私もこの時聴いたヨッフェのスケルツォ4番が忘れられない。2023/03/16