出版社内容情報
日本音楽の研究に終生取り組み、〈雅楽〉の概念を作り上げた人物・田辺尚雄。彼の足跡を通して、つくられた〈雅楽〉の真相に迫る。〈雅楽〉とはなにか――近代日本において、「科学」を通して日本音楽の研究に終生取り組み、現代われわれが知る〈雅楽〉の概念を作り上げた人物・田辺尚雄。田辺は当時最先端の音響学や進化論などの知見にもとづいて日本の音楽を研究、「日本音階」の探究から出発し、〈雅楽〉を核とする「日本音楽史」を編み上げ、さらには遠くシルクロードのむこうに〈雅楽〉の悠久の響きを追い求めた。つくられた〈雅楽〉の真相に迫る画期的論考。
鈴木 聖子[スズキセイコ]
著・文・その他
内容説明
「平安時代からの伝統」?「シルクロードの悠久の響き」?つくられた“雅楽”の真相に迫る。西洋の音響学や進化論などの“科学的”知見にもとづき日本の音楽を研究した音楽学者・田辺尚雄。「日本音階」の探究から出発し、“雅楽”を核とする「日本音楽史」を編み上げ、果てはシルクロードのむこうに“雅楽”の悠久の響きを追い求めた。
目次
「雅楽」と「音楽」
第1部 「日本音階」の誕生(東京帝国大学理科大学物理学科というトポス;田辺尚雄の音階研究)
第2部 進化論と「日本音楽史」(「進歩」と「国民性」のはざまで―進化論における西洋音楽と日本音楽の出会い;新しい「日本音楽史」の誕生―「音楽科学」と雅楽の進化論)
第3部 大東亜音楽科学奇譚(箜篌の楽器学―雅楽の起源を古代メソポタミア文明にたどる;植民地の音楽フィールドワークと雅楽の起源;東洋音楽進化論の要としての雅楽;雅楽、「大東亜音楽として万邦斉しく仰ぎ見るもの」)
雅楽の戦後
著者等紹介
鈴木聖子[スズキセイコ]
1971年東京都生まれ。2012年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程(文化資源学)単位取得退学、東京大学東京大学大学院人文社会系研究科附属次世代人文学開発センター特別研究員などを経て、現在はパリ・ディドロ大学(パリ第七大学)東アジア言語文化学部・助教。京都造形芸術大学・非常勤講師。博士(文学)。専門は近代日本音楽芸能史、音楽芸能の文化資源学(文化資源としての活用)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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