内容説明
ハイエクはなぜ社会主義と戦ったのか?近代合理主義が生みだしたディストピアを「経済」「戦争」「道徳」の観点から分析しその不可能性を説く。
目次
第1部 「計画」はなぜ間違うのか(知識人と社会主義;計画、科学、および自由;自由と経済体制)
第2部 社会主義の「経済学的」欠陥(計画化の経済学;無知への対処;社会主義計算論争とはなんだったのか―フィクションの2ページ)
第3部 「戦争」の経済問題(価格による配分対配給制度;資本の節約―利子率の役割をめぐって;「大戦」に関連した文書)
第4部 二つの「道徳」(科学と社会主義;社会主義はなぜ反動的なのか;史本手技の道徳とはなにか)
著者等紹介
尾近裕幸[オコンヒロユキ]
1963年生まれ。國學院大學経済学部教授。専門は、理論経済学、オーストリア学派経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アミアンの和約
13
ハイエクの論文集。論文の時期は大戦中の40年代から晩年にあたる80年代と飛び飛びではあるが、全体主義の危険性と自由の重要性を訴える内容は一貫している。人は皆ある意味では社会主義者というのは、自身もかつてはフェビアン的社会主義者であった著者だからこそ説得力のあるものだろう。2025/10/15
南禅寺の小僧
1
冒頭の論文に書かれている、自由主義者と社会主義者の関係は見事に、軍事屋と新左翼との関係に類似していた。現実主義者と理想主義者の関係。「理想主義者になることを恐れていては大衆の賛同は得られない」というハイエクの言葉に首肯せざるを得ない。かつて社会主義者であったハイエクの社会主義批判が、新左翼から軍事屋に転換した自分に痛烈に響いた。2011/03/23




