著者等紹介
ドストエフスキー,フョードル・ミハイロヴィチ[ドストエフスキー,フョードルミハイロヴィチ] [Dostoyevsky]
1821‐1881、ロシアの小説家。15歳のときに母が病死。17歳のときに父が殺される。1846年の処女作『貧しき人びと』が絶賛されるが、その後は評価がどんどん下がる。政治活動に関係して逮捕され、銃殺刑になる直前に減刑され、シベリアの収容所で四年間を過ごす。その経験から『死の家の記録』を書き、『地下室の手記』で新たな作風を確立し、さらに『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』という五大長編を書く
頭木弘樹[カシラギヒロキ]
文学紹介者。筑波大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
106
驚きの味に出会えたような一冊。興味はあるもののなかなか手を出せなかった「カラマーゾフの兄弟」、そのミステリ部分を取り出して読みやすくしてくれた本書。まさに通りすがりに、騙されたと思って食べてみて〜♪なんて試食を勧められた感覚。そして意外な驚きの味、美味しさ、食べやすさに出会えた感覚かな。はじめにとあとがきも素晴らしくそそられる。まるでテレビショッピングの話術にハマり思わず購入してしまうレベルの上手さだった。うーん、じっくり読んでみたい気になるけど、スッキリ全てを理解できる日は来るのだろうか…そこが問題。2019/08/02
おさむ
41
3000ページ以上ある大作のミステリー部分だけを取り出したもの。あちこちに関係のない話が挿入されるのがドストエフスキーの特徴なので、すごくスッキリした印象(司馬遼太郎もこんな風にカットしてもいいかも笑)くどくどした重厚な方が良いファンも多いでしょうが、ライト版から読む方が初めての人にはいいかも。子供の頃読んだ黒岩涙香の翻案小説で、私たちはレミゼラブルやモンテクリスト伯を知ったのですから。シベリアの牢獄にミーチャのモデルとなった人物が実在していたとは知りませんでした。まさに事実は小説よりも奇なりですね。2019/08/29
雪月花
36
「ドストエフスキーの試食をどうぞ」と頭木弘樹氏が冒頭で書かれている通り、3000ページ以上にも及ぶ『カラマーゾフの兄弟』を切ってつないで編集されたミステリーカット版。何度も原作読破に挑戦しつつも100ページ目で挫折していた私にはもってこいの、非常に読みやすい抄訳でした。頭木氏ご自身も5回目の挑戦でようやく全部読めたと言われ、最初の100ページを10回読んだことがあるという私のような人もいるらしいです(笑)。この翻案に助けられ、今年こそ原作も読破できそうです!2021/01/17
ココロココ
23
かなり前に、ノーカット版を読んで中断してしまっていたので、この作品を買ってみた。なかなかドロドロした作品であった。ミステリの要素だけ抜き出し編集された作品になっているので、非常に読みやすかった。登場人物の名前にしても、1つに統一されていたし。近いうちにノーカット版にリベンジしたいが、時間的な余裕がある時に読んでみたい。中断すると訳が分からなくなりそうなので。2019/03/21
すけまる
20
誰もが一度は読んでみたい、あるいは読んで挫折したことがあるであろうドストエフスキー。その代表作カラマーゾフの兄弟をミステリー要素を抽出し、初心者にも読み易いようにカットしてくれたのがコレ。訳者自身も何度も挫折しているが故に確かにわかりやすく(でもドストエフスキーらしさも残ってるので難解といえば難解笑)書かれている。キャラクターたちが個性的過ぎてついていけない、がそれが味でもある。人生の困難にぶつかった時、ノーカット版を読んでみようかと思う。伊坂先生が翻案書いてくれたら絶対読むんだけどなぁ。2019/08/15
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