出版社内容情報
『私は貝になりたい』の著者が真に伝えたかったこと。いまなお、現代人の心情に訴えかけてくる哲太郎の反戦争論と平和社会論の迫力。名作『私は貝になりたい』の著者・加藤哲太郎が真に伝えたかったこととは何か。獄中で書かれた論文・エッセイを手がかりに、戦争の悲惨さと不条理を徹底的に突き詰め、平和への道を模索するBC級戦犯の姿を活写。戦後73年を経てなお、現代人の心情に根底から訴えかける哲太郎の反戦争論と平和社会論の真骨頂。
小松 隆二[コマツリュウジ]
著・文・その他
内容説明
「私は貝になりたい」はBC級戦犯が遺した反戦争論と平和社会論を象徴するメッセージだった。時代の波に翻弄された獄中の思想家の苦闘を描く。
目次
プロローグ 戦争犠牲者への鎮魂歌「私は貝になりたい」
第1章 哲太郎の生い立ち
第2章 スガモプリズンの死刑囚―国家によって戦犯とされた人たち
第3章 戦争は犯罪である
第4章 再起 哲太郎の本懐
第5章 「戦争をしない国」への悲願
エピローグ 殺戮しあう戦争を二度と起こさないために
著者等紹介
小松隆二[コマツリュウジ]
慶應義塾大学(名誉教授)、白梅学園、日本ニュージーランド学会、現代公益学会、社会政策学会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
31
加藤哲太郎さんの話は他の本で読んだことがあり、イメージが湧いているため、書いている話も理想の一つとして理解しやすかったです。ただ著者の書き方がややひつこい感じを受け読み進めにくかったです。2023/09/05
trazom
4
加藤哲太郎さんの人生を踏まえて彼の反戦思想を読むと、単に頭の中で構築しただけの反戦論とは、その深さや迫力が全く違うと実感させられる。戦争そのものが犯罪であるという強い信念は一貫しているが、それに加えて、たとえ、国や上官の命令であっても、それに従っての戦争協力は言うに及ばず、戦争否定に対しての不作為もまた、責任として認識すべきだという主張は、とてつもなく厳しい。一人一人の兵士にも戦争責任があるという戦争責任論があって初めて、本当の意味での戦争廃絶への可能性に通じるのだと主張しているように聞こえる。2018/07/31
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