秘義と習俗―フラナリー・オコナー全エッセイ集 (新装版)

秘義と習俗―フラナリー・オコナー全エッセイ集 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393416099
  • NDC分類 934
  • Cコード C1098

出版社内容情報

時を刻む病いと戦い,死を凝視し,〈究極の救い〉を希求してやまなかったアメリカの天才女流作家オコナーの,新しい生の可能性を開示する出色の文学・宗教・文明・人間論 311f

内容説明

アメリカの荒野より~全編に散らばる警句。時を刻む病いと戦い、死を凝視し、“究極の救い”を希求してやまなかったアメリカの天才女流作家オコナーの、新しい生の可能性を開示する出色の文学・宗教・人間論。

目次

鳥の王
作家と祖国
作家と表現―グロテスクなものの諸相
作家と地域
小説の本質と目的
物語の意味
自作について
文学の教育は可能か
子どもにおける小説の全体的効果
教会と作家〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

61
業病に侵されて常に死を意識しながら小説を書き続けたオコナーは、文学について深く考えを巡らせていた。「文学は悪魔が個人の中に存在するものと認められぬ雰囲気の中では育たない」「希望のない人は小説は書かないし読みもしない」「広島に落ちた爆弾はジョージアの農村生活に対する私の判断に影響する」「作家の本質は経験をじっくり眺めることであって、その中にどっぷり浸ることではない」これらの言葉に今の日本作家で反論できる作家がいるか。米南部のグロテスクで異常な生態を描くとされた彼女だが、何より人間の真実を追い求めていたのだ。2021/07/09

chanvesa

5
小説を「髪は抜け落ち、歯がボロボロになる(74頁)」まで書くオコナーは、「ある少女の死」では、自身の病気は微塵も感じさせず、一切の感傷を排し、冷酷なまでにシスターと接し論ずる。オコナーほど小説家であるプライドを持った作家はいないのではないか?「習俗を通して秘儀を具体的に表すのが小説の務め」(117頁)という言葉は正直理解を超えているが、リアリズムの追求であったり、膿を出すために作った傷のようなグロテスクな内容なのだろう。また自身をフォークナーだけでなく、コンラッドにつながる系譜であるというのが興味深い。2013/11/13

ムチコ

4
そして、自分を知るということは、とりわけ、自分にないものを知るということである。真理に照らして自分を測るということであって、決してその逆ではない。自分を知った結果、最初に出てくるものは謙譲の感情である。(「作家と祖国」)/憐れみを表現するのに憐れみをもってしては不可能であり、情緒を情緒で、思想を思想で書きだすことはできないのであって、作家はこのことをしっかり認識しておくべきである。(「物語の意味」)--誠実で激烈な言葉が刺さる、箴言集のようなエッセイ集。絶版のようだができれば手元に置きたい。2019/11/29

三柴ゆよし

4
これ読むと結構作品の印象が変わる。2019/11/14

いのふみ

4
グロテスクなもの、滑稽なものを、技法としてあえて使っているのだ。2019/02/05

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