生命(ゼーレ)の哲学―知の巨人フェヒナーの数奇なる生涯

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  • サイズ A5判/ページ数 369,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784393361252
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0010

出版社内容情報

近代科学誕生の現場に接しその限界を見抜いていた大科学者の生涯と時代背景から、その思想の深層を探る。なぜ彼は忘れ去られたのか。

【著者紹介】
1962年生まれ。東京大学大学院薬学系研究科博士課程退学。博士(薬学)。東京大学薬学部専任助手等を経て、明治大学情報コミュニケーション学部准教授。現在の専門は生命論・生命思想史。

内容説明

マーラーに崇拝され、フロイトに敬慕された大科学者はなぜ忘れ去られたのか。19世紀近代において精神物理学を築き、物理学・心理学・数学・哲学・宗教・進化論まで広範な領域を横断したフェヒナー思想の謎を解き明かす。

目次

第1部 誕生から学生時代まで―一八〇一年‐一八三〇年頃(小村の牧師の家に生まれる;医学部入学と医学への失望)
第2部 ゼーレの探究者への道―一八三〇年頃‐一八四八年頃(苦学の中で物理学講座の正教授に;人はこの世に三度生きる;光を恐れる奇病との闘い ほか)
第3部 精神物理学と光の世界観―一八四八年頃‐一八八七年(一八四八年前後の物質主義の躍進;物質主義全盛の時代に抗して;フェヒナーの法則を発見し精神物理学の創始者に ほか)

著者等紹介

岩渕輝[イワブチアキラ]
1962年、岩手県に生まれる。東京大学農学部卒業。東京大学大学院農学系研究科修士課程修了。東京大学大学院薬学系研究科博士課程退学。この間、京都大学霊長類研究所・特別研究学生。博士(薬学)。東京大学薬学部専任助手等を経て、2004年4月、明治大学情報コミュニケーション学部助教授。2007年4月から現在に至るまで、同大学同学部准教授。この間、2009年4月から2011年3月まで、ドイツ・テュービンゲン大学哲学講座・客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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有名な(有名なのか?)精神物理学の構想も、機械論的風潮に対して、機械論を批判するためにあえてそのやり方、すなわち数学によって心を扱うことで、デカルト以来の心身二元論を克服し、両者を合わせ持つ生命原理、ギリシア語のプシュケーに相当するゼーレとして捉えようとする独自の自然哲学を背景にしたもので、単に心理学の計量化に留まらないものらしい。日本語で読める文献ってホントになくて、正直あまりよく知らない人物だったのでこういう本が出たのはありがたい。物理や自然哲学など、様々な領域で活躍した人なのも知らなかった。2015/01/18

koji

2
長いので、書評やネットを片手につまみ食いで読みました。ただ、著者の真摯な研究態度を思うと、こんな読者は失格で、申し訳なく思います。フェヒナーは寡聞にして知りませんでした。ネットで検索すると、フェヒナーの法則が有名のようですが、本書ではさほど紙幅を費やしていません。「それまで測定不能とみなされていた心の世界の測定を可能にする心的尺度」と要約されています。本書の工夫は、「光の世界観、闇の世界観」を経糸に、フロイト、マーラー、西田幾多郎らに影響を与えたエピソードを緯糸に、分かり易い文体で書いていることです。2014/08/30

ハイパー毛玉クリエイター⊿

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無知な私は、哲学者であり物理学者であるフェヒナーのことをまったく知らなかったのだが、中二病的な書名に魅かれてつい読んだ1冊。精神科医フロイトや音楽家マーラーから敬愛されたというグスタフ・フェヒナー。同じく音楽家であるシューマンとは親戚関係にあったらしい。思想の内容は、正直私にはよくわからなかった。彼の著書においては死後の世界だの霊界だのという言葉が飛び交うため、しばしばオカルト畑の人だと勘違いされるようだが、本書ではそれを否定している。(ほんまかいな)2015/08/09

黒い森会長

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・1801年生まれのフェヒナーは、青年期にロマン派の影響を受け、父が牧師だったこともあり、ロマン的感性・思想と科学的唯物論を持った科学者である。その分野は、物理学で基礎訓練を受け、生理学心理学にわたる。その影響下に、ブントの実験心理学やフロイトの精神分析が始まる。 また、ロマン的感性から、19世紀のドイツの文化的状況まで関連してくる。 有名な「死後の生活(思想)」は、「千の風になって~」と似たものと思う。2015/02/09

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