感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
8
初期から晩年にかけてユングの神の像を追う。「1912年ー20年の間にユングの著作に現れるひとにぎりの神への言及から判断すると、彼の理論に一進一退の態度が残っているのがわかる。一方で彼は「神の概念は神の存在の問題と全く連関のない非合理的性格をもった必要な心理的機能にすぎない」のであり…「素朴な精神の持ち主」だけがあえてそれらを実体化しようとするのだと主張する。しかし他方で、彼はその問題全体がまさしく科学的認識の力の彼方にあり、科学的認識だけでは「世界の完全な把握の場合と同じように不十分」であると考えている」2022/02/11
Carlyuke
2
ゆっくりと精読して初めて著者の言いたいことが理解できるのだろう。ユング思想における神イメージについて多少の理解ができた。ユングの分析心理学の方法論にはつっこみどころがあるということがわかった。より深い理解を求めて再読, 再再読をしたい。2017/06/19
kottono
1
原型で有名なユングの思考の変遷を彼の著作物の研究を通して説明する本。1~3章で歴史が語られ、4~5章で批判が行われる。4章が難しくて私には理解できなかったが、全体を通してユングの原型という概念について理解が深まった。2013/04/03