内容説明
COVID‐19を経験したいま、人類のもつ創造性を結晶させる術としてのアートはどこに向かう(向かわなければならない)のか。日本の伝統に根ざす“藝道”をヒントに、限界芸術や民藝など、既存の概念をもういちど捉え直し、一遍から和辻、九鬼など多くの先人を踏まえつつ、瞑想や風土、さらには性愛(エロス)や貨幣経済(ブロックチェーン)の考察を経て、里山やわび茶でのGEIDO実践へと至る、長い思索の旅路の記録。
目次
プロローグ 一休寺(1)―虎丘庵に書かれた“暗号”
はじめに COVID‐19、そしてGEIDOの生態学的転回について
第1章 藝術2.0からGEIDOへ―『藝術2.0』を振り返りながら
第2章 GEIDOは限界芸術ではない
第3章 GEIDOは民藝ではない
第4章 人類は「日本人」として生き延びない―アガンベン/ハイデガーの人類学機械をめぐって
第5章 脱風土化するGEIDO―和辻哲郎、クレマン、ベルクをめぐって
第6章 GEIDOの「美」学に向けて―九鬼周造をめぐって
第7章 GEIDOとしての性愛へ
第8章 GEIDOとしての経済へ
第9章 「小さな地球」、あるいは里山の再創造―林良樹の挑戦
長いエピローグ 一休寺(2)―わび茶による文明の「どんでん返し」
著者等紹介
熊倉敬聡[クマクラタカアキ]
1959年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、パリ第7大学博士課程修了(文学博士)。芸術文化観光専門職大学教授。元慶應義塾大学教授、元京都芸術大学教授。フランス文学・思想、特に詩人ステファヌ・マラルメの“経済学”を研究後、コンテンポラリー・アートやダンスに関する研究・批評・実践等を行う。大学を地域・社会へと開く新しい学び場「三田の家」、社会変革の“道場”こと「Impact Hub Kyoto」などの立ち上げ・運営に携わる。博報堂University of Creativityにて講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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