なぜ日本人は世間と寝たがるのか―空気を読む家族

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784393333242
  • NDC分類 361.63
  • Cコード C0036

出版社内容情報

なぜ男性は妻を「ママ」と呼ぶのか。なぜ母子心中がなくならないのか。日本の家族にまつわる謎の数々を「世間学」を武器に徹底解剖。

内容説明

なぜ、妻を「ママ」とよぶのか。母子心中は、どうしてなくならないのか。事件の加害者家族がメディアで謝る理由は。よく考えたら奇妙なことが、あふれている。“「私」なき国”の家族のありようを徹底解剖。「世間学」で読み解く日本の実像。

目次

第1部 日本型家族の誕生―近代家族の史的変遷(「世間」とは何か―日本人を縛るルール;「私」なき国の近代家族―「いえ」とは何か;商品化される家族―家族の「解体」という言説)
第2部 「世間」に侵食される日本の家族―今日的状況の考察(妻をなぜ「ママ」とよぶのか―恋愛関係論;増殖する母性愛―親子関係論;親の謝罪は必要か―加害者家族論;忘却は除夜の鐘とともに―年中行事論)

著者等紹介

佐藤直樹[サトウナオキ]
1951年、宮城県生まれ。九州工業大学大学院教授。九州大学大学院博士課程修了。専攻は刑事法学、世間学、現象学。1999年「日本世間学会」創立時に、初代代表幹事として参画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

29
私たちにとって世間とは何か。世間体を気にするあまり、私という大切な尊厳が失われていないか。本著は家族に焦点をあてながら、世間という内面化されたものにせまっている。おもしろかった。2020/05/02

壱萬参仟縁

14
阿部謹也先生の世間研究は有名。世間は、不祥事をおこした個人の責任のみならず、いえ全体の責任を追及しようとする(60頁)。そのくせ、世間の責任を問うとなると、離散して誰も責任をとらないのではないか。まったく、無責任であろう。日本からいじめがいつまでも根強く、なかなかなくならない理由は、世間が大いに関係しているのではないだろうか。世間はindividualたる個人が存在していたために、人間関係が相互依存的でベッタリ(88頁)。こども世界では「プチ世間」(86頁~)という指摘も、かわいそうな世間の仲間入り。続→2013/07/25

ひつまぶし

4
紹介される事例とその位置付け、解釈には「なるほどなあ」と思わなくもないのだが、「世間」という概念を使って、日本社会を批評しているだけという印象。「あれも世間」「これも世間」と世間の現れを見つけ出すだけでは、否定的な結論が出てくるだけだろう。「不条理なもの」としての世間の実態を暴くのではなく、世間という視点から見れば不条理さがあらわになる「現象の機能面」を明らかにしていかなければ、その呪縛から逃れる方途は見えてこないし、もしかしたらありうる活用法も検討できないだろう。世間も社会を構成する一側面なのだから。2024/11/15

うちこ

4
「個人」には常に「世間」のラベルが付きまとう。 NOラベルでも話せる場って、日本人同士だとなんでこんなにむずかしく感じるのだろう。わたしは5年前からずっとこの問いを抱え続けているのだけど、<共同幻想>の四文字でいろいろスッキリしました。 2017/10/20

ミヒャエル・安吾

3
ユルユルの感じの本だが、内容は決して古くない。2017/03/27

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