内容説明
「空」とは何か。「無常」とは何か。困難に満ちた現実を直視しつつ、この瞬間を慈しみ楽しんで生きることを可能にする仏教の智慧と具体的な実践法、とりわけ死への処方箋を、美しい詩や比喩や物語を用いてわかりやすく説いた絶妙の仏教入門。
目次
第1章 私たちはどこから来てどこへ行くのか
第2章 本当に怖ろしいこと
第3章 深く観る
第4章 悲しみと怖れを変容する
第5章 新しいはじまり
第6章 幸福のすみか
第7章 永遠の顕現
第8章 怖れ、受容、そして許し―大地に触れる
第9章 死にゆく人々とともに
著者等紹介
ティク・ナット・ハン[ティクナットハン][Thich Nhat Hanh]
1926年、中部ベトナムで生まれる。10代で出家し禅僧となる。ベトナムで社会福祉青年学校、ヴァン・ハン仏教大学、ティエプ・ヒエン(インタービーイング)教団を設立。コロンビア大学、ソルボンヌ大学でも教鞭を執る。激化するベトナム戦争のさなか、中立の立場から平和と停戦を訴え、戦争被害者救済に尽力するが、北からも南からも敵視・迫害され、1966年にはフランスに亡命を余儀なくされる。1973年のパリ平和会議には宗教者代表として出席
池田久代[イケダヒサヨ]
1949年、山口県に生まれる。1975年、同志社女子大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、皇學館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミッキー・ダック
20
著者はベトナムからフランスに亡命した禅僧。この本は仏教に対するイメージを変えてくれる。死や苦への怖れから自由になることで、死後のためではなく今を幸福に生きるための理論と修行方法を述べている。瞑想し対象を深く観ることで真理に目覚めるが、それにより誰もがブッダになれるし、慈悲の心をもつことで誰でも菩薩になれると説く。無常、無我、相依相関、涅槃などを例え話を使って分かり易く解説。目覚めは観念を排除した直接体験だから、頭での理解には限界があるが、そこから展開する生きる智慧は奥深く感動的ですらある。 2015/05/07
harhy
8
いったん立ち止まって、いまを考えるにはいいと思う。2024/02/25
yone
3
縁起ー空の思想から生死を語る。生も死も実体は無く、全ての人、ものは全てとつながる。父母や先祖、師匠と弟子も、いいも悪いも、それぞれに受け継がれ、そこに生きていく。仏教うんぬんを抜きにしてて、素敵な考え方だと思う。2015/03/01
駿ばぱ
3
生も死も概念としてあるだけで、実体はないということ。私自身のなかにはいろんな人や物、現象が入っていて、他の人や物、現象には自分が入っている。すべてが継続して生まれることもなければ、死ぬこともない。奥深い一冊で、仏教のエッセンスがガンガン響いてきました。日々プラクティス(練修)して、この境地を味わいたいなと思いました。2015/01/22
Asa
2
俗世の概念や観念から自由になれば心は満たされる。頭では解ってるが日常生活を繰り返す中ではどうしても忘れていってしまう。彼岸の域は遠いな。しかし、この世は全て無常と気付けただけでも読んだ価値はある。僕はまだまだ本を読むべきだ。2015/06/24
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