アウシュヴィッツの“回教徒”―現代社会とナチズムの反復

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  • サイズ B6判/ページ数 517,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393332412
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C0036

内容説明

ナチ強制収容所において、生きるべき価値を持たない者として「焼却処分」にふされた人々がいる。それら「死すべき抑留者」に与えられた名―「回教徒」(Muselmann)。なぜ「回教徒」なのか?その生と死を、我々はどう語ってきたのか?戦後60年を迎えた現代社会を規定し続ける「思考としてのナチズム」、その核心への問い。

目次

序章 皮膚―歴史の器官
第0章 回教徒(Muselmann)/ムスリム(Muslim)/イスラム教徒(Moslem)
第1章 残忍な自己嘲弄?―アウシュヴィッツの「回教徒」をめぐる侮蔑と享楽
第2章 意志を喪失した者たち―アウシュヴィッツ強制収容所の抑留者が描く「回教徒」
第3章 人間の影―他の強制収容所の抑留者が描く「回教徒」
第4章 生ける屍=戦闘機械―親衛隊員による「回教徒」という用語の使用
第5章 無意志の帰依/野蛮なる受動―「回教徒」という用語が研究者その他によって公的に登録される時
結び 人間と人類の名において

著者等紹介

柿本昭人[カキモトアキヒト]
1961年、岡山県生まれ。同志社大学政策学部教授。専門は社会思想史。「人間の条件としての理性の保有」という主題をめぐって、『アウシュヴィッツの“回教徒”』の課題となったナチスの強制収容所に関する抑留者の証言の分析とともに、「痴呆」についての言説の歴史、そして痴呆とされた人々の処遇の歴史の検証を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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