内容説明
ラテンアメリカ諸国の運命を決した思想家の生涯!植民地政策と専制政治、人間性に最も反する奴隷制、そして特権階級の支配する19世紀初頭のラテンアメリカ諸国に、自由と独立、民主主義と法を打ち立てた思想家〈シモン・ボリーバル〉の不断かつ果敢な闘争の歴史。
目次
第1章 独立の背景
第2章 人物像
第3章 解放の歴史
第4章 解放の思想
第5章 挫折のドラマ
第6章 意義と展望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
belier
2
著者の祖国の英雄への愛が迸っている伝記。だがそれ以上に、この南米の解放者が唱えた理想を踏みにじり、早すぎる死を迎える前から私利私欲に走り、南米を分裂させ、搾取、独裁、紛争、その他もろもろの問題だらけの大陸にしてしまった元同志や後継者への怒りで、厚いだけでなく熱い本になっている。現代も南米は変わっていないように思われる。しかし遠い大陸のことと気楽に考えていいだろうか。南米の歴史は、権力者が利権ばかり追い求めると社会全体が停滞し続けるという教訓を与えてくれた。さて、東アジアの某島国は大丈夫だろうか?2021/01/13