出版社内容情報
「私には映画が哲学のために創られたかのように見える」――独得のウィトゲンシュタイン解釈をベースに、精神分析を疑問の渦中に投じつつ、『ガス燈』『情熱の航路』など古典ハリウッド映画を論じ、現代における人間存在を探究するカヴェル映画論の頂点。
内容説明
結婚はなぜドラマの終わりになるのか?『ガス燈』『忘れじの面影』『情熱の航路』『ステラ・ダラス』、四つのクラシック映画が映し出す、新たな女性、そして人間の創造。『幸福の追求』と双璧をなすアメリカ現代哲学の巨匠による映画論。
目次
1 無能な弁士―『ガス燈』における声の否定
2 精神分析と映画―『忘れじの面影』の瞬間
3 醜い家鴨の子、可笑しな蝶―ベティ・デイヴィスと『情熱の航路』
4 追記―関係者各位
5 ステラの趣味―『ステラ・ダラス』を読む
著者等紹介
カヴェル,スタンリー[カヴェル,スタンリー] [Cavell,Stanley]
1926年、米国ジョージア州生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業(音楽専攻)。ハーバード大学大学院で博士号(哲学)を取得。ハーバード大学教授を長く務めた。1958年に論文“Must We Mean What We Say?”を発表してから半世紀あまり、ハーバード大学を拠点に、「いまだ近づきえぬアメリカ」の哲学を求めて思索を深める。カヴェル以外ではありえない独特のウィトゲンシュタイン解釈は本国アメリカにとどまらずイギリスやフランスやドイツにも大きな衝撃を与えた。2018年、逝去
中川雄一[ナカガワユウイチ]
1953年、北海道生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。専門は現代フランス哲学。専門分野にとらわれず幅広い翻訳で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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