内容説明
人類を追いつめる新型コロナ・パンデミック、止まらぬテロの連鎖、青息吐息のグローバリズム。激震する国際秩序を読み解くカギは宗教だ。世界を動かす宗教の論理を看破し、宗教オンチの日本人に、近代主義の黄昏のなかで進むべき道を示す。
目次
第1章 危機の時代の宗教論―ヒューマニズム批判のために
第2章 宗教と政治の狭間―二十一世紀の混沌の中で(“宗教”と“宗教的なもの”;イスラム過激派と「言論の自由」;戦後七十年目に問われていること;安倍首相の戦後七十年「談話」に欠落するもの;中東問題とイスラーム ほか)
第3章 来たるべき言葉―内村鑑三
著者等紹介
富岡幸一郎[トミオカコウイチロウ]
1957年、東京都生まれ。文芸評論家、関東学院大学国際文化学部比較文化学科教授、鎌倉文学館館長。中央大学文学部仏文科卒業。1979年、「意識の暗室―埴谷雄高と三島由紀夫」で第22回群像新人文学賞評論優秀作受賞。西部邁の個人誌『発言者』と後継誌『表現者』に参加し、『表現者』編集長も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
5
「現代の危機」における宗教論は、「宗教化」してしまった宗教を「自由な創造的行為」ととらえ直す「宗教批判」となって、「近代文明」の「人間至上主義」を乗り越えねばならない、と著者は説く。著者の手がかりはキリスト教神学。その深層に超文化的可能性をみる。 ※ 文芸評論家が、雑誌『宗教問題』2012〜20年連載の「宗教と政治の狭間」全21篇を、大幅加筆して一書に編んだもの(前後を書き下ろしの総論と、既発表の内村鑑三論ではさむ)。キーワードはありふれているが、実際の論旨はかなり独自で、やや複雑。読むのに注意が要る。2021/08/22
ふみあき
3
著者は西部邁の総合誌『表現者』の編集長だが、残念ながら、その論旨に首肯できる部分は少なかった。なぜ「ナチズムこそが近代主義(人間中心主義)」と言えるのか、不敏な私には分からないし(左派のアドルノとホルクハイマーが似たような主張をしてるのは知ってるが)、また著者は「『ポケモンGO』に浮かれているグローバル世界」と、それを「『怪しき輩』と受け止め禁止するイスラーム世界」と、どちらがまともな社会かと問うが、私にはそれが前者であることは自明に思える。あと『発言者』が『発声者』になっていたり、誤植多過ぎ(第1刷)。2021/02/12
Go Extreme
1
危機の時代の宗教論―ヒューマニズム批判のために 宗教と政治の狭間―二十一世紀の混沌の中で:宗”と宗教的なもの イスラム過激派と言論の自由 戦後70年目に問われていること 中東問題とイスラーム ニーチェとトランプ現象 紀元節 遠藤周作・沈黙の今日性 政治を動かす宗教的なもの 150年の百鬼夜行 保守思想と信仰問題 日本的キリスト教の可能性 近代科学とキリスト教神学 来たるべき言葉―内村鑑三 クライシスの本質2021/03/21
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