トマス・アクィナス「存在(エッセ)」の形而上学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323557
  • NDC分類 132.2
  • Cコード C0010

出版社内容情報

トマスの神学・哲学両面からエッセの解明に取り組み、現代の常識的な「存在」理解の重大な欠陥と神の創造の神秘を明確にする特異点。

【著者紹介】
1928年、佐賀県に生まれる。東京大学文学部卒業。アメリカ・カトリック大学大学院哲学研究科にてPh..D..を取得。九州大学や福岡女学院大学の教授を経て、現在、長崎純心大学大学院教授。2012年、50年以上の歳月を費やしたトマス・アクィナス『神学大全』(創文社)の翻訳を、最後の翻訳者としてついに完結に導いた。

内容説明

同時代人にもまったく理解されなかったトマスの「存在」の思想は、哲学と神学の極北に突如創生した存在論の特異点である。大著『神学大全』の翻訳をついに完結に導いたトマス研究の大家が、現代存在論の重大な欠陥を暴き、哲学史上類例を見ない独創的思想の真実と、その今日的意義を解き明かす。

目次

第1章 問題―「存在」について考えることの意味(現代存在論における「存在」理解;現代存在論の根本的前提)
第2章 「存在」形而上学の誕生(トマスの「存在論」について;「存在するもの」・「本質」・「存在」;複合実体と単純実体における「存在」;心・身合一論と個体化の理論における「存在」;結語―「存在そのもの」である神)
第3章 「存在」形而上学の展開(「存在」はどのようにして捉えられるか;「存在」理解の展開)
第4章 「存在」と哲学的諸問題(「存在」と心身論;「存在」と類比;「存在」と悪の問題)
第5章 「存在」とトマスの神学的理論(「存在」と三位一体論;「存在」と神学的キリスト論;「存在」と聖体神学)

著者等紹介

稲垣良典[イナガキリョウスケ]
1928年、佐賀県に生まれる。東京大学文学部卒業。アメリカ・カトリック大学大学院哲学研究科にてPh.D.を取得、文学博士(東京大学)。南山大学、九州大学、福岡女学院大学、長崎純心大学大学院の教授を経て、九州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Eu_a_Krupps

1
本書p.20で①現実性(actuality)と実在性(reality)の混同・同一視、②価値と存在を異なるカテゴリーに分類し、価値は存在しないとする(=事実/価値の二元論)を「現代存在論の二つのドグマ」であると指摘する。そのドグマを克服する方途としてのトマス・アクィナスの存在(エッセ)の形而上学を考察していくが、最終的にドグマをどう乗り越えていくのかについては、直接の記述が見当たらなかった。しかし、トマスの形而上学の体系的な解釈としてはとても魅力的なものであった。2014/02/11

Reina SAIJO

0
日本を代表する研究者よるトマスの「エッセ」概念を中心とした解説書である。文章はたいへん平易かつ明快だが、内容は濃密で熟読を要するものだった。現代の存在論になじみのある身としては、トマスの、ひいてはキリスト教の世界像と不可分な存在理解に基づく理論の違いが刺激的である。ここで展開されているのは人間が何を存在すると措定しているか、というところを超えて思考される存在論である。神のいない存在論と、神のいる存在論の関係について私自身の態度はまだ決まらないが、折に触れて立ち返りたい豊かな存在論を学べる有益な書物である。2014/02/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7832910
  • ご注意事項

最近チェックした商品