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クオリアの哲学と知識論証―メアリーが知ったこと

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  • サイズ B6判/ページ数 321,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323359
  • NDC分類 116.4
  • Cコード C0010

出版社内容情報

クオリアは我々に知識を与えるか? 知識とは何か、心の哲学は物理学に還元できるかを問う壮大でエキサイティングな論戦を展開。

内容説明

オーストラリアの哲学者フランク・ジャクソンが考案した「メアリーの部屋」の思考実験は、物理学的知識に属さない知識の存在を証明し、物理主義を否定するように見える。はたして物理主義は間違っているのか?錯綜した議論を整理し、哲学者たちの論理を明確にしたうえで、知識論証に隠されたトリックを暴き、物理主義を擁護、さらにメアリーが得たとされる新しい知識の正体を明らかにするスリリングな論考。

目次

第1部 知識論証の歴史(物理主義とクオリアをめぐる思考実験;プロとコントラ―論争の歴史)
第2部 知識論証への応答(メアリーの事例・随伴現象説・ゾンビ;主観的事実と物理主義;タイプB物理主義と現象概念戦略;デネット対ニダ‐リューメリン―タイプAの擁護;「どのようなことかの知」の能力分析;表象内容の理論―ジャクソンの表象主義に依拠して;結語―タイプA物理主義と説明ギャップ)

著者等紹介

山口尚[ヤマグチショウ]
1978年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。同大学院人間・環境研究科博士課程修了。人間・環境学博士。現在、京都大学講師。専門は、形而上学、心の哲学、宗教哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三毛猫

1
最もラディカルな物理主義者(タイプA物理主義者)による知識論証をいかに物理主義的に説明するかを主題にした本。第1部で知識論証の展開史をまとめた上で第2部でタイプA物理主義の正当化を試みる。主な主張はタイプB物理主義者はタイプAになるべきでえること、メアリーが知ったことはある種の能力知であること、その能力は機能的表象主義によって基礎づけられること、説明のギャップは物理主義にとって脅威ではないことだった。全体として精緻な論証が行われていて分かりやすい。反面、後半に近づくにつれて論証が曖昧になっていくのが目立つ2015/12/07

0
有名なフランク・ジャクソンの知識論証を扱った本。本書は二部から構成されている。第一部は知識論証の論争史のサーベイになっており、論争の近年の動向がクリアにまとめられている。第二部はタイプA物理主義からの応答になっており、筆者独自の解答策が明解な論述とともに提示されている。内容自体は決して簡単ではないものの、第一部・第二部の両方とも明確な書きぶりがなされていて、非常に読みやすかった。余談にはなるが、脚注での筆者による人物評は読んでいて思わずクスリとさせられるので、是非脚注にも目を通してほしい。2013/01/06

hmpndrf

0
マリーの部屋で一冊って本。中間考査の範囲だったので求めたが届いたのは試験後だった。マリーの部屋っつー思考実験については、俺はちょっと聞きの時点で暗黙の知識論的前提がカナリ厳しいんじゃないの──「マリーは部屋から出た時体験知を得たのだ」とすればクリアじゃん、その時点で物理主義撃てなくなるじゃん、体験知認めないのは苦しいじゃん──と思っていて、実際この本でもそういう批判が取り上げられていたのは収穫だったが反批判もされててそれはぐぬぬだな。まあ判断保留。個人的関心からは逸れるのでテキトーに読んだことにして流す。2012/11/24

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