出版社内容情報
「体操とは自分のからだの動きをてがかりにして人間とは何かを探究する営みである」。本書は,創始者が「野口体操」の思想と実践の基礎をやさしく説いた名著の復刊。
目次
1 体操による人間変革(体操による人間変革;からだは生きた皮袋 ほか)
2 ある日の体操実技(腕のぶら下げ;胴体や頭のぶら下げ ほか)
3 からだとコトバの探検(蒼頡は野口体操を習っていた?;漢字とヤマトコトバ ほか)
4 おへそのまたたき(からだの神に貞く;おへそのまたたき ほか)
5 体操とは占である(「ここで何が起こったか」;ローゼルとの出会い ほか)
著者等紹介
野口三千三[ノグチミチゾウ]
1914年、群馬県生まれ。1934年、群馬県師範学校卒業。小学校訓導、群馬師範学校・東京体育専門学校助教授を経て、1949年から東京芸術大学教授。退官後に東京芸術大学名誉教授となる。戦後、「体操による人間変革は可能だ」という信念のもとに、独自の人間観と実技に基づく革命的な「野口体操」を創始。その後、「野口体操」を通して、演劇・美術・音楽等の世界に多大な影響を与える。1998年、逝去
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感想・レビュー
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ほじゅどー
10
★★生きている人間のからだは皮膚という生きた袋の中に液体的なものがいっぱい入っていて、その中に骨も内臓も浮かんでいるのだ。ゆらゆらゆらゆら、実に柔らかく、まるで氷嚢のように揺れ動く。体の中の体液の存在に気がつき、驚いた。いいからだの状態は、気持ちのいいことを求めればいいんです。からだに貞(き)くのです。2016/12/03
おーね
4
哲学っぽい。液体の入った袋ですか。2017/07/27
Yuko
2
体操について、また、からだとコトバのつながりや裏に潜むものへの探検、和語の音とエネルギー、コトバの多重構造・多様性、漢字の祖形である甲骨文字から紐解く自然の原理や人類の智慧についての考察や記述も大変興味深い。 「体操とは体に貞くことである」(p122) 「自分自身のからだの動きを手掛かりにして、人間とは何かを探検する営みを体操という」(p241) 「自分の体の重さに任せる実感を手掛かりに、神とは何かを探り求める営みを体操という」(p243) からだに貞く、重さに貞く、すごい発見です! 2018/01/06
tekesuta
1
からだの動きに知りたかったのだが、漢字の成り立ち、甲骨文と身体の関係について熱く語っている文章が多くて、野口体操を知らない人はこれを最初に読む本じゃないな、と思った。先に岩波から出ている本を読んだほうがいいのかな。 2013/07/08
qwel21
1
字の原義から迫るやり方は深い。2008/07/13