内容説明
開眼せよ、論理を超えた論理。禅による悟り体験を通じて、読者を世界の新地平へとやさしく導く、鈴木大拙の代表的著作!
目次
1 禅の問答
2 悟り
3 禅経験の研究について
解説(古田紹欽)
著者等紹介
鈴木大拙[スズキダイセツ]
1870年石川県に生まれる。本名、貞太郎。円覚寺に参禅し、円覚寺派管長である今北洪川、釈宗演に師事し、大拙という居士号を受ける。1897年釈宗演の縁により渡米し、雑誌編集に携わる。1909年に帰国後は学習院、東京帝国大学、真宗大谷大学に勤務。英文著作も多く、ロンドンでの世界信仰会議やエラノス会議へ出席するなど、広く欧米に仏教を紹介した。1966年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
インドから発した仏教は中国を経て日本に定着した、と言えば、言葉は起源と歴史、原因と結果のような意味を表す。著者は、禅がインド起源でなく中国に発したが、現代の中国にはほぼ残っていないという。では、起源と歴史を喪失してなお、禅は何をもって自らを仏教であると規定するのか?仏陀の悟りの経験に直接接近することをもって、と著者は言う。この特異な経験は言葉にすれば必ず逃れる。禅問答は、この経験に達した者が居合のように瞬時に行い、言葉の意味や論理を無意味にする技(アート)である。臨済禅には1700則の公案があるとされる。2021/03/08