出版社内容情報
従来の研究では曖昧だった初期韻文経典と散文経典を明確に区別し、初期韻文経典の説示を通して、ゴータマ・ブッダや直弟子たちの最も古い仏教を考察し、韻文経典の段階で教理化が進んでいることを明らかにした画期的書。
【目次】
略号表
凡例
はじめに
(一)問題の所在と研究方法
(二)本書の概略
第一章 四聖諦と三学
第一節 最古層経典にみるゴータマ・ブッダの教え
第一項 この世における人間存在
第二項 苦しみを脱する修行過程
第三項 苦しみから解き放たれた人とその境地
(一)苦しみから解き放たれ、悟りを体得した人
(二)悟りの境地
まとめ
第二節 四聖諦の成立
第一項 最古層経典にみる四聖諦に関する教え
第二項 古層経典とそれ以降における四聖諦説
(一)「四聖諦」と「四諦八聖道」
(二)「集諦」の規定
第三項 初転法輪の伝承に関わる初期韻文経典の説示
まとめ
第三節 三学の成立
第一項 初期韻文経典にみる修行
(一)最古層経典に説かれる修行
(二)古層経典に説かれる修行
(三)新層経典に説かれる修行
第二項 智慧(pa???)とは
(一)「智慧」の用法
(二)「智慧」の意義 ─「〔自己の存在を〕正しく自覚すること(sati)」と対比して
第三項 「三学」の成立
まとめ
第二章 「苦しみ」と「苦しみの起こるもと」
第一節 最古層経典にみる「苦しみ」と「苦しみの起こるもと」とは
第一項 「苦しみ」の原語 dukkha の用例
第二項 「苦しみ」と「苦しみの起こるもと」の用例
(一)「苦しみ」の用例
(二)「苦しみの起こるもと」の用例
(三)「苦しみ」と「苦しみの起こるもと」に関する最古層経典の立場
第三項 「苦しみ」と「苦しみの起こるもと」に対する無自覚と自覚
第四項 苦しみのない理想的境地
まとめ
第二節 「苦しみの起こるもと」とは
第一項 最古層経典にみる「苦しみの起こるもと」
(一)「苦しみの起こるもと」の用例
(二)「執着」と「渇愛」の関係性
(三)「渇愛」の意義
第二項 古層経典にみる「苦しみの起こるもと」
(一)「苦しみの起こるもと」の用例
(二)「執着」と「渇愛」の関係性
(三)「渇愛」と「無明」の意義――生存の根源として、縁起説の基軸として
(四) 「煩悩(kilesa)」 と 「随眠(anusaya)」
(五)「五蓋」の成立――煩悩の分類の始まり
まとめ
第三章 「自己の存在に対する正しい自覚」の宗教的意義
第一節 最古層経典における sata 、sati の用法
第一項 最古層経典にみる sata 、sati の語義
(一)sata 、sati に対する先学の訳語
(二
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