内容説明
仏教史全般に渡る広い視野、他の追随を許さぬ高い見識。仏教学の泰斗結城令聞博士の主要論文を全3巻に集成。第1巻は、伝統的な法相宗教学の基礎の上に立ち、サイスクリット語やチベット語の原典を駆使し、唯識を解明した論文21篇を収録。
目次
1 唯識入門(唯識学の中心思想;唯識思想の発達 ほか)
2 唯識の文献(『唯識二十論』の背景思想とその製作についての梗概;『転識論』と『唯識三十頌』との同本異訳関係を疑う ほか)
3 インジ唯識の思想(唯識学に至る種子説構成の経過と理由;『摂大乗論』に於ける正聞重習論 ほか)
4 中国唯識の思想(唯識学に於ける真如論考察の三様の立場について;『成唯識論』を中心とせる唐代諸家の阿頼耶識論 ほか)
5 中国唯識の展開(敦煌文書による摂論宗義の研究;中国唯識学史上に於ける楞伽師の地位 ほか)