出版社内容情報
なぜ、シャネルやヴィトン、エルメスは高くても売れるのか
なぜフランス企業は、安売りに走らず利益を守れるのか?
なぜフランス人は、長い休暇をとっても成果を出せるのか?
長期デフレと人口減少でGDP世界4位に後退、企業も個人も「高く売れない」構造に苦しんでいるニッポン。
かたや、観光・ブランド・文化資本を活かして、商品もサービスも「高く売る」ことに成功しているフランス。
その違いはどこにあるのでしょうか?
本書は、フランス流の価格戦略・働き方・ブランド哲学を徹底解剖し、
・フランス企業が「値下げ競争」に巻き込まれない理由
・フランス流「休みながら成果を出す」働き方の秘密
・ブランドの価値を落とさないための戦略
・経営者が実践すべき「価格を上げても選ばれる」仕組みづくり
・「安い日本」から抜け出すための実践的アプローチ
…など、日本企業がこれから世界で生き残るためのヒントを提示します。
いま日本の企業に必要なのは、値引きではなく価値で勝負する力。
フランス人が持つ「高く売る力」「休んで成果を上げる力」を学べばまだまだ日本は成長できるはず。
フランスを拠点に、欧州ファッションブランドのマーケティングに携わってきた著者ならではの、単なる“働き方本”や“欧州比較本”にとどまらない、経営戦略と価格戦略に直結する実務的ヒントを多数提示。
もう日本を安い国とは言わせない!
【目次】
第1章 フランス流〝価値を下げない〟働き方戦略
―ブランドを守る姿勢に学ぶビジネスの本質
・シャンパンはなぜ値崩れしないのか?
・フランス国内でも「高い」を貫く理由
・「売ってやる」メーカーと「買ってやる」流通
・「早く引退したいフランス人」と「長く働きたい日本人」
・有給完全消化とヴァカンスが生む消費の循環
第2章 フランス流〝はみ出す〟ことで得られる競争力
―文化の違いを超えて、交渉力・個性・価格戦略を磨く
・はみ出すフランス人vs. はみ出さない日本人
・価格競争から脱却するフランス式ブランド戦略
・はじめの「Non」はフランス式自己主張の技術
・価格も交渉も〝自分軸〟で決めるフランス流ビジネスの本質
第3章 老舗企業に学ぶ高価格戦略とアイデンティティ設計
―変えないことで強くなる
・LV(ルイ・ヴィトン)のモノグラムは日本の家紋がベース
・「ケリー」と「バーキン」職人技が支えるブランド経営
・型破りが世界を動かす―北斎から学んだフランス
・引き算の美学―日本文化が示す高付加価値戦略
・川久保玲に学ぶ〝記憶に残るブランド〟のつくり方
・顧客満足より自己納得がブランド価値をつくる
・素材と思想で勝つ! 日本料理が変えたフランスの高級戦略
・料理店の利益率を上げるための提案
第4章 制度と文化の摩擦から考える
―日仏の移民政策と社会の持続可能性
・フランスの移民政策が示す警告
・移民政策に必要な〝覚悟と設計〟とは
・あまり知られていないフランスの〝裏の顔〟
・日仏の学歴社会に見る〝育て方〟の違い
・エリートが社会を動かすフランスの学歴構造と統治モデル
・フランスのエリート育成と価格戦略の背景
第5章 フランスに学ぶ地方ブランド化の本質
―都市は〝感情〟で値づけされる
・パリと京都は似た者同士
・制度が価格を守る。フランスのホテル格付けと職人文化
・価格と文化を昇華するフランス式価値のつくり方
・田舎にこそある〝高く売る〟ヒント
・一夜の殿様が価値を引き上げる!
第6章 価格は哲学である
―CHANELとUNIQLOに学ぶ〝売り方〟の本質
・CHANELvs. UNIQLO
・CHANELとUNIQLOの思想的連続性
・ブランディング考―価格は〝心〟で決まる
・五感と哲学で情緒的価値を高める
第7章 フランスのハードパワー、日本のソフトパワー
―フランスの技術・言語・冒険精神に学ぶ
・硬派の国が高く売る
・売る側の誇りが価格を決める! 対等な関係が生む価値
・EUの中心に君臨するフランス、アジアの中心で仲介する日本
・笑顔より信念! 価格を動かすプレゼン力と国際的