出版社内容情報
小さな島国の侯爵令嬢ベルティーヌは、戦争の賠償金として敵国に差し出され海を渡った。しかし待っていたのは屈辱的な扱いで──
内容説明
ベルティーヌは豊かな小国の宰相の娘として育った侯爵令嬢だ。しかし結婚を目前に控えたある日、戦争の賠償金の一部として戦勝国の代表・セシリオに嫁げと王命が下る。絶望と諦めを抱えて海を越えたベルティーヌだが、到着した屋敷にセシリオは不在で、使用人達からは屈辱的な扱いを受ける。「親も身分も頼れない。この国で生きて力をつけてやる」そう覚悟した彼女は屋敷を飛び出し、孤立無援の敵国で生きるための道を切り拓いていく―。絶望から這い上がり、新たな地で羽ばたく女性の生命力きらめく冒険譚!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
46
普通ならこの忙しい年末の30日、娘達も爺さんの誕生日6日に併せて帰ってくるということで正月は無し。しっかり守雨さんに浸らせてもらっています。この本もそうですが女だからってへこたれません。それでいて優雅。錬金術師の技術を父親から習っていた幼少の頃は辛かったでしょう。この方の本はどれも耐えた後の幸せが必ずやって来るって言うのが私の壺にはまったのでしょう。下巻に行きます。2023/12/30
よっち
37
小国サンルアンの宰相の娘として育った侯爵令嬢ベルティーヌ。結婚を二週間後に控えた彼女が、突然敗戦の賠償金の一部として連合王国代表セシリオに嫁げと王命が下る誤解と取引の恋物語。絶望と諦めを抱えて海を越えたものの、セシリオ不在の屋敷で使用人たちから屈辱的な扱いを受けるベルティーヌ。そこから覚悟を決めて侍女ドロテと自らの居場所を得るために奮闘する展開で、自活を始めて人との交流を広げ、商売の種を見つけてはみんなが幸せになる道を模索するアグレッシブな彼女の姿勢で動き出すストーリーはなかなか面白かったです。2022/10/06
わたー
30
★★★★★友好国である帝国が戦争に敗れたことで、戦争賠償金の減額を理由に連合国の指導者のもとへ嫁ぐことになった主人公べルティーナ。しかし、連合国側は嫁入りを拒否したことで、敵国で孤立無援になることから始まるファンタジー作品。著者の作品は「手札が多めのビクトリア」しか読んだことがなかったのだが、こちらも好みの作品だった。信じられるものは幼いことから身の回りの世話をしてくれるドロテだけという最底辺の状況から、人の縁に助けられ、商機を見出し、生活基盤を整えていくという健気な姿は胸にきて非常によかった。2022/10/21
るぴん
27
『手札が多めのビクトリア』が好みだったので、守雨さんの他作品も…と手に取った1冊。敗戦国の賠償金代わりに敵国に嫁がされたベルティーヌ。嫁ぎ先からは押しかけ嫁扱いされ、それなら賠償金の分を自分で稼いでやるわ‼︎と市井に飛び出し、持ち前の商才を活かして自らの居場所を掴んでいく。どのエピソードもあまりに上手くいきすぎる感は否めないものの、逞しく生きる女性が己の能力と人脈だけで突き進んでいく姿はとてもスカッとする。結婚相手である閣下との恋愛要素はほぼないけれど、そんな要素がなくても面白い。続けて下巻へ。2024/04/04
蒼
25
「どうすればこの国で暮らす事を認めていただけますか?」戦争賠償金(自国が戦争したわけではないのに)の代わりとして敵国に差し出された貴族の令嬢。自分の存在意義を賭けて智略を駆使する生活が始まる。面白い。甘々恋愛要素はかけらもないが、自分の持つ知識で自分の居場所を確立しようとする令嬢の逞しさは、時代世界が違っても全ての女性に通用するものだと思う。2024/02/14
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