内容説明
2000年12月22日、夜8時過ぎ。宮城野部屋の電話のベルが鳴った。このベルこそ、モンゴルから日本に来た少年と著者の人生が大きく変わることを告げるベルだった―。身長175センチ、体重62キロだった少年が、なぜ無敵の横綱になれたのか。“育ての親”が見た「人間白鵬」強さの秘密。
目次
プロローグ 運命の出会い
第1章 豊かな大地と両親の愛
第2章 体重80キロでのデビュー
第3章 受難を乗り越えて
第4章 私と白鵬
第5章 前人未踏の大横綱へ
終章 白鵬の心の支え
著者等紹介
熊ケ谷誠志[クマガタニセイジ]
1957年生まれ。福岡県浮羽郡浮羽町出身。本名、田崎誠。元宮城野部屋所属力士。最高位は東前頭13枚目。現在は宮城野部屋付き親方として後進の指導にあたっている。白鵬が来日した当時から指導にあたり、横綱まで育て上げたことから、白鵬“育ての親”と呼ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
9
師匠である熊ヶ谷親方(現:宮城野親方)から見た入門から大横綱としての道を歩み始める頃までの白鵬について。今現在の時点だと加齢もあって怪我に悩まされる状況ではあるが若い頃も体重増加で無呼吸状態になったり、休場にならないまでも結構怪我をしていたんだなという印象。ただ1番印象に残るのは親方が語る自らの人生で、貧困に陥る少年時代に陰湿かつ過酷極まりない兄弟子からのしごきに部屋を継いでからの後援会の突き上げと苦労人振りが凄い。白鵬が大横綱になった事で報われた面はあると思うが、今現在も諸々で苦労あるんだろうなあ。2020/01/16
anken99
2
会見拒否、そしてブログでの真相告白という流れの中で手にした一冊。横綱になった当初に、親方が執筆したものだ。希代稀に見る名横綱も、相撲界に入った頃は、期待もされず、体も小さかったことにびっくり。たゆまぬ努力の数々と、日本人以上に日本人の心を持つ人物像を知り、史上最高の名横綱になる感すら覚えた。頂の、さらにその先を目指してほしいと願ってやまない。2014/07/22
ふみら
0
つい先日引退を表明した白鵬。この本は2010年1月初版のものだが、当時と今の世間の白鵬評は随分変わった。2010年代はまさに白鵬時代だった。双葉山を尊敬し、日本大好き白鵬。近年は土俵上でのガッツポーズやかち上げ、万歳三唱等々、品格を問題視される声が多くなったが、頂点を極めた者にしか見えない景色もあるし、白鵬も神様ではなく人間。大鵬も北の湖も千代の富士も貴乃花も朝青龍も協会にいない今、白鵬にはどうか今後も相撲界の発展のために力を注いでいってほしいと願うばかり。2021/10/03