内容説明
もうひとつの戦後精神史―抑留体験と対峙した魂の記録。「最もよき私自身は帰って来なかった」と詩人・石原吉郎は記した。石原が畏敬した戦友鹿野武一、鹿野と深い交流を持った菅季治の戦中・戦後の精神史。
目次
1 虚の顔
2 菅季治
3 蛙昇天
4 緑の板
5 鹿野武一
6 石原吉郎
7 開拓団
8 満州国崩壊
9 スターリン指令
10 菅通訳
11 食缶組
12 ストルイピンカ
13 人間の位置
14 失語
15 絶食
16 ダモイ
17 鹿野武一急死
18 ロシナンテ
19 風にもだえる木
20 H氏賞
21 望郷と海
22 告発せず
23 割腹
24 神の沈黙
25 海を流れる河