内容説明
自らの生涯をすぐれた「ロマン」にたとえたナポレオンの劇的な伝記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
22
ナポレオンの生涯を若干辛めの視点で描いた伝記。ナポレオンの魅力は偉大と卑小の明快なコントラストにあると思う。稀代の用兵家。一代のうちに至高の地位まで上り詰めた英雄。こういった面だけでは今のような人気はなかったのではなかろうか。英雄に内在する虚栄心・傲慢・冷酷といった凡庸さが彼を愛すべき人間にしているように感じる。文章に少し癖があるのが気になったけれど、コンパクトに纏まった良い本だ。 2014/12/13
Y2K☮
2
名著だと思う。とても勉強になった。ただやはり著者の年代的に、反戦反独裁の色が強く出過ぎているかと。戦乱の世の中で勝ち残るためには、国民の自由が普段よりも制限されるのは必要悪な措置だと思う。戦争せざるを得ない状況の中で、敗戦国からの賠償金で経済を立て直すビジネスモデルを組んだナポレオンのやり方が特別悪辣だったとは思えない。ただ己の軍才に溺れ、時代の要請を読み切れず、独裁者故にそれを止める側近にも恵まれなかった。平和な世の中に生まれていたらどうなっていたのか、興味がある。2013/03/22
