内容説明
若き日には水もしたたる美貌の若武者ぶりで、円熟期にはぐっと渋い持ち味で当り役も多く、剣の道ひと筋の宮本武蔵、七つの顔をもつ男多羅尾伴内、「大菩薩峠」の虚無の剣客机竜之助と、映画黄金期を背負って立った花型スター千恵蔵の、人間的な内面にも迫り赤裸々な生涯をえぐった評伝である。
目次
華族の子
門閥のない歌舞伎役者
マキノ映画から千恵プロへ
右太さんよ、今にみておれ
若き日の稲垣、伊丹ら
胸の病
おたか、五十鈴との純愛
轟=お通への悲恋
結婚
GHQの時代劇禁止
七つの顔の男
東映時代劇の夜明け
華やかな桜吹雪の蔭に
右太衛門との激突
そそり立つ東映城
千恵、右太時代の終焉
遠のいてゆく映画出演
女が2人いるのは地獄だ