出版社内容情報
革命の勃興より現在まで激しく揺れ動いた中国。大躍進期、文化大革命期など超人的努力を強いられた農民たちと、そこを舞台に展開された苛烈なドラマ、進行しつつある自由化への試みなどを通して描く現代中国論。
序
……この調査研究は、主として二つの観点が中心となっていることを述べておきたい。その一つは、私たちが一九五五年から説きつづけて来ている中国の将来にとっての重い脅威となるところの“人口過剰”の問題である。二つ目は“脱集団化”である。これは政治のドグマ主義と関連するものなので、そのため多くの難問が生ずる危険がある。とはいえ、中国農民の勇ましい――勇まし過ぎる?――双肩にのしかかっている集団化の硬い束縛を一部分でも取り払おうというこの自由化は賞讃に価するものだと思わざるを得ない。……
……中国はあらゆる分野において――人口問題から経済、政治の問題まで――たいへんな難問にぶつかっているが、私たちは中でもその圧制について批判しようと思っている。もちろん、私たちの資本主義と称する経済は、第三世界の貧しい人を荒廃させ、借金漬けにし、飢えに苦しめ、貧困へと追い込んでいることを忘れてはならない。アルゼンチン、ブラジル、メキシコなどばかりではなく、チリやペルーなど中南米のほとんどの国、赤道に近いアフリカのほとんどの国、南アジアのパキスタンからヴェトナムまでがそれである。自由世界の道徳的権威は、第三世界の憂慮すべき破産によって地に堕ちているのだ。
目次
第1部 中国人民の「長征」(1949―83)。超人的努力、非人間的誤謬
第1章 1982年には中国の民は10億。それは避けることができたのに
第2章 旧中国の重荷…と共産主義の勝利のむずかしさ
第3章 農地改革から百花斉放まで(1949―57年)
第4章 「大後退」と立て直し(1958―65年)
第5章 文化大革命、または理由なき苦難(1966―76年)
第6章 経済の見直し、民主化の試みは立ちどころに弾圧される(1977―83年)
第2部 農民は脱集団化へ向けて進む
第7章 安徽省で「責任制」、すなわち脱集団化が始まる
第8章 四川省。幸せになるには人間が多過ぎる!
第9章 雲南省の山岳地帯。少数民族と「牛馬族」
第10章 広東省。不平等と高まり行く半失業?
第11章 工業都市上海。消費社会へ向かうのだろうか?
第12章 陝西省。集約農業の揺籃の地
第13章 山東省と半失業
第3部 「金持ちになれ、現代化せよ」…そして民主主義?
第14章 もろもろのドグマから脱して…ついに不平等をなくすることが出来るか?
第15章 耕作地という「鉄のコルセット」から出ること
第16章 五番目の現代化、デモクラシー
第17章 西欧化、腐敗。それはどこまで続くか
第18章 紀元2000年の13億の民、または「幼児虐殺」
第19章 中国と第三世界。すべての専制主義とたたかうこと
内容説明
激しく揺れ動く現代中国で展開された農民の苛烈なドラマの報告。
目次
第1部 中国人民の「長征」(1949―83)。超人的努力、非人間的誤謬(第1章 1982年には中国の民は10億。それは避けることができたのに;第2章 旧中国の重荷…と共産主義の勝利のむずかしさ;第3章 農地改革から百花斉放まで(1949―57年)
第4章 「大後退」と立て直し(1958―65年)
第5章 文化大革命、または理由なき苦難(1966―76年)
第6章 経済の見直し、民主化の試みは立ちどころに弾圧される(1977―83年))
第2部 農民は脱集団化へ向けて進む(第7章 安徽省で「責任制」、すなわち脱集団化が始まる;第8章 四川省。幸せになるには人間が多過ぎる!;第9章 雲南省の山岳地帯。少数民族と「牛馬族」;第10章 広東省。不平等と高まり行く半失業?;第11章 工業都市上海。消費社会へ向かうのだろうか?;第12章 陝西省。集約農業の揺籃の地;第13章 山東省と半失業)
第3部 「金持ちになれ、現代化せよ」…そして民主主義?(第14章 もろもろのドグマから脱して…ついに不平等をなくすることが出来るか?;第15章 耕地という「鉄のコルセット」から出ること;第16章 五番目の現代化、デモクラシー;第17章 西欧化、腐敗。それはどこまで続くか;第18章 紀元2000年の13億の民、または「幼児虐殺」;第19章 中国と第三世界。すべての専制主義とたたかうこと)
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