内容説明
経済学者・自由主義思想家として著名な河合栄治郎は、また天成の教育者でもあった。戦時中ファシズムに抵抗し、東大教授を休職となり裁判の被告となりながら、自己の理想主義思想をつらぬき通し、その信条を直接学生に呼びかけた本書は、時代を超えて、青年学生の心の奥深く生き続ける“青春の門”であり、情熱あふれる不朽の名著である。一九五一年刊行の、超ロングセラー。
目次
第1部 価値あるもの(社会における学生の地位;教育;学校;教養;学問 ほか)
第2部 私たちの生き方(読むこと;考えること、書くこと、語ること;講義・試験;日常生活;修養 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Major
14
思い出の一冊である。「大学2年4月」と掠れた鉛筆書きの記録が裏表紙にあった。教育から恋愛のことまで20以上もの項目にわたって、「学生とはいかにあるべきか」について、その当時の学生に、その処世ならず、”処学”の術を紐解いてくれる一冊であった。当時学ぶべきものも見つけられずに、半ば惰性で学生生活を送っていた僕に活を入れてくれた思い出の書である。あれから数十年、この本に絆された若い熱情と理想はどこへ行ってしまったのだろう?(笑)かと言って、若者にも「河合」を伝えていけないもどかしい社会になってしまった気がする。2019/12/27
酔うた
5
「他律の良さを自覚した時、既に他律ではなく自律である」…この人の言葉には「嘘」がない。学問的人格を得ることがどういうことかが、文章ににじみ出てくる。こんな人が昔はいたのか。なにか嬉しくなってくると同時に、悲しくもなる。2015/02/13
数学の問題集
5
中公新書から出ている松井慎一郎氏の『河合栄治郎』を読みその生き方に感銘を受け、この本を取るに至った。発刊当時は爆発的に多くの日本人が読んだが、今では河合栄治郎の名すら知らないのがほとんどで、さらにこの本は現在販売されていない。しかし、今こそこの本を読むべきである。学生にだけでなく、すべての人格性に対して適用できる。まさに河合栄治郎の思想体系を形にした物であるというのが伝わってきた。座右の書とします。2015/02/09
megane
4
もう学生ではないけど読んでみた。これは非常に良い本だ。高校や大学にいるうちに読んで共感できたらプラスになっただろうなーとは思うけど、むしろ社会に出てたからこそ共感できたのかもしれない。学生としてのありかたや心構えなどが載っているけれど学生だけに留まらず人生の本として読める。人生というのは生涯学習ですもんね。その点においていつまでも学生のような心構えで学んでいきたいと思ったようなそんな感じ。2011/08/11
U-tan
3
河合栄治郎の晩年の著作.対象は高校生や大学生など.理想主義者で,リベラルな著者の真摯な言葉に耳を傾けてみるのはよい経験かもしれない.2010/03/28
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- 洋書
- Đừng l…