内容説明
現代のような競争社会だけでなく、ギリシャ神話、旧約聖書、古事記のなかにも見られる嫉妬。それは、時代と文化を超えて、およそ生きとし生けるものが例外なく体験しなければならない。この本では、著者が臨床でかかわった実例のほか、トルストイや漱石の文学などを通して嫉妬からの解放の道をさぐる。
目次
1 嫉妬の輪郭
2 嫉妬の構造
3 子供に見る嫉妬
4 競争社会における嫉妬
5 嫉妬と犯罪
6 病的嫉妬の臨床
7 病的嫉妬の精神病理
8 嫉妬からの解放
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
viola
3
嫉妬に興味がある人ならば、たまらなく面白い内容です。 恋人と、恋敵であればどちらを殺すか? 嫉妬とは何か? 『オセロー』 『クロイツェル・ソナタ』 『オイディプス王』 も登場。このへん、かなり好きなのでそれだけでも楽しい。2010/05/11
アイアイ
2
病的嫉妬も含めて人間のどす黒いマイナスな妄想は凄まじい。2歳の男の子が自分を可愛がってくれた隣の家の奥さんの赤ちゃんを殺し、奥さんは訴えもしなかった話が凄い。赤ちゃん返りも含め嫉妬による事件の症例がたくさんあった。人間社会は嫉妬の巣。▷図書館2014/11/19
遠藤三春
2
スサノオやエディプスの「嫉妬」や恋人、恋敵に対する「嫉妬」、子供の「嫉妬」、「嫉妬」と「羨望」の違いについて等々。症例ものっててわかりやすかったけど、自分の持ってる嫉妬の感情を分析したかったがなかなかうまくいかない。それにやっぱり本に載ってる嫉妬の例は幻聴や幻覚が見えるなどの、一種異常な方へいってしまった人達の例だから、自分と照らし合わせるのは難しいな。嫉妬の解決策は、「人の中で生きていくこと」らしい。面白かったのは、日本では恋人殺人の罪は軽く、恋敵殺人の場合は軽くないのに対し、フランスではたいだい真逆。2011/06/25
遠藤三春
1
再読。過去の哲学者たちの嫉妬に関する考察が興味深い。漱石『行人』も考察対象にあります。私は『虞美人草』の方で考察してみたい。2013/09/19
pake
0
事例が載っていたりして、わかりやすかった。 2011/06/03
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