現代教養文庫<br> ドキュメントゆきゆきて、神軍

現代教養文庫
ドキュメントゆきゆきて、神軍

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784390115551
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0174

内容説明

主人公奥崎謙三(現在服役中)の行動は狂気によるものか、それとも神意か。「殺人の場面」の撮影を強要するなど、普通人のものさしでは計りがたいスケールで、自らを演出する奥崎と、ドキュメンタリー映画作家の壮絶な戦いが読者のキモをつぶす。これは、最新作「全身小説家」で注目をあびる原一男監督の出世作「ゆきゆきて、神軍」の製作秘話である。採録シナリオ一挙収載。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ymazda1

3
映画の中での「処刑事件」との偶然の遭遇がなければ、この映画も奥崎謙三のイメージも、まったくちがったものになってたんかなって思ってただけに、収録されてる原監督と井出孫六さんとの対談は、ドキュメント映画の裏側みたいな感じで、おもしろかった。 井出さんが出版に関わった「ヤマザキ・・・」って、内容は裁判の陳述書そのものなのか・・・読んでみたくなった。 あと、映画のシナリオが収録されてて、見返さなくても追体験できるのは、ありがたかった。

たこ

2
奥崎謙三からあふれでるエネルギーが活字からでも十二分に感じられる。そんな男に食らいつくようにカメラを向け続けた原一男監督の勇士は素晴らしいの一言。やはり演出もあったようだが、それを含めても奥崎謙三が「理想」とする姿を見事に撮り切った原一男監督にとにかく脱帽するのみ。特に、ニューギニア編の苦労話は必見。2016/07/01

Satoru Moriaki

2
実家本棚で発見。学生時代、映画研究部?で原監督を迎えて「ゆきゆきて神軍」を上映するイベントがあり、部員でもないのに参加、そこで買い求めた一冊だ。映画を初めて観た時は、正面から平手打ちされるような衝撃を受けたが、その収録過程で浮かび上がる奥崎謙三の人となり、彼と監督の不思議な共犯関係がいちいち興味深い。この本を通じて映画に宿っていた熱の素地を冷静に見つめる事が出来ると思う。2012/10/08

凡天

1
奇跡のドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」。監督原一男の手記、映画の採録シナリオ、監督と井出孫六の対談、そして監督の妻でありプロデューサー小林佐智子の筆による奥崎謙三の妻シズミの回顧録からなる四部構成。インドネシア当局にフィルムを没収され映画にできなかった「ニューギニア篇」の手記を「神軍パート2」として読むことができる。おもしろい。また獄中の奥崎が妻へ寄こした手紙を記した回顧録も興味深い。戦争の残虐さ、悲惨さ、そして奥崎謙三の狂気と怒りの震源について思いを馳せたい。2014/01/16

cocomap

1
人間としての大切な何か、どこかのタガが外れてしまったのでしょうか。 戦争体験によって。 映画を観ているとき、ココロのどこかで、 引っかかっていたナニカが分った様な気になりました。 「ああ、やっぱりそーなんだ」と頷きながらも、 ますます分からなくなる「様な気」。 (タガが外れている)奥崎氏が求めたイデオロギーでは、 自己演出・ヤラセのような行動でもイヤらしさが感じられません。 困ったモノです。 まぁ、読んでいて面白く感じたンだから、読んでよかった本です。 2013/06/05

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