内容説明
問題児のかげに問題親あり。精神科クリニックからのリポート。古くて新しい問題“親と子の葛藤と断絶”から生まれる様々なドラマ。彼らのその後の近況まで追跡。
目次
遅すぎた乳ばなれ
愛情という名の武器
娘は天才です!
樹の上で暮らす息子
堕ちた偶像
みにくいアヒルの子
他人の言葉を聞く耳持たぬ父親
社会適応をはばむ親たち
長い名前の重圧
人間不信の泥沼
女になりたい男の子
過保護の中のドラマ
三年後の消息
二十余年後の消息
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみりー
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1960年代後半から70年代前半のアメリカで、筆者はセラピストとして精神科クリニックに勤務した。 そこで関わった親子関係の問題は、現代日本にも通じるところがある。 子どもだけでなく親自身の問題も解決されていないケースでは、3年後には子どもがまた問題を抱えてしまっていたのが痛々しい。 若い患者たちがどんな人生を望むかは、結局周りの環境、家族の価値観によるところが大きいのだろう。 ボイド博士が言った、「親たちのところへ絶対帰れない片道切符」があればいいのに…という言葉に考えさせられた。2011/04/10