内容説明
本書は、明治の異色の日刊紙「万朝報」明治31年7月7日から9月27日まで連載された「弊風一斑 蓄妾の実例」510例を収録したものである。当時、男子の玩弄であった妾に対して、同情を披瀝し、妾を持つ男子に反省を促したものであった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西澤 隆
4
明治31年に新聞「萬朝報」に連載された、ただただ誰が誰を妾として囲っているかを列挙した記事。しかも実名、年齢入り、住所は番地まで。逢い引きの場所や「別の妾を新たに囲った」というようなことまで。出てくる名前も伊藤博文、犬養毅、北里柴三郎、井上馨といった「教科書の人たち」も多い。「息子ではなくその親(67)の妾だった」など豪快な訂正も入れば「この記事をネタにした強請の噂を聞くが警察に言え」と警告もする。ひとりふたりではなくこれだけ新聞に並べることができるのは時代だなあ。どれくらいの反響を呼んだのか、気になる。2015/09/16
ぷっしー
2
ゴシップ記事だこれー!?政治家やら事業家やら軍人やら学者やらがお妾さんを囲っている事象を暴きたてた記事が500強も載せられている。よくもまあここまで女性関係を調べあげたなあ、と感心半ばで呆れ半分。犬養毅や森鴎外等の、我々にも馴染みのある人のお妾さんが暴かれているのを読むと思わずニヤリとしてしまう。黒岩涙香が主催した萬朝報では「筆誅」が行われていたことは教科書的な知識しか持っていなかったが、ははあ、こういうのが「筆誅」なのだなと理解致した。2010/05/04
-
- 洋書
- L'APPRENTIE
-
- 電子書籍
- ダンシング・ゼネレーション 2 マーガ…