内容説明
「世界中のフェアリーの特徴を調べたい人は、トマス・カイトリーが書いたこの本を読むことからはじめるのがいちばん」といわれるほど世界的に知られているフェアリーの解説書です。フェアリーという概念の起念の起源、フェアリー説話の発生地、伝播の道筋など、興味のつきない話がいっぱいで、ファンタジックな世界の思いがけない広がりと深さにお驚かれることでしょう。
目次
1 序論
2 東洋のロマンス
3 中世のロマンス
4 フェアリーの国
5 スペンサーの『フェアリー女王』
6 エッダとサガ
7 スカンジナビア
8 北方諸島
9 ドイツ
10 スイス
11 イギリス
12 ケルト人とウェールズ人
13 南ヨーロッパ
14 東コーロッパ
15 結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
妖精だけでなく北欧のトロルにも詳しい。「トロルとは元来はわるい精、巨大な怪物、魔法使、またわるい人をさすことばだった。しかし今ではかなりの程度までわるい意味を失っている。…丘、塚、土手の中に住み、そのため「丘の人」とよばれる…トロルは騒音をひどく嫌う。…教会に鐘が釣られるようになると、トロルはほとんど全部その国から逃げだしてしまった。…トロルは並外れた有用な能力をいくつかもっている。たとえば彼らは姿をみられずに動き回ったり、どんなものに自分の姿をかえることができる。未来のできごとを予知できる。」2023/05/10
福ノ杜きつね
0
西洋の民俗に関しては畑違いなので、読むのに時間を取られてしまった。1850年、日本で言えば黒船来航前夜に出されたこの本は、神秘が近代の合理的・科学的思考によって解体されてゆく過程をまざまざと見せてくれる。多様な民族が入り交じる西欧において、類似の民間伝承が多く見つかる点を、歴史的経緯や言語学の側面から分析していく。「こぶとり爺さん」そのままのストーリーであるアイルランド伝承「ノック・グラフトンの伝説」など、偶然にしてはできすぎとも思える話も収録されていて面白い。2025/02/18
Bellis Juno
0
「フェアリー」に関する伝承を広く体系的にまとめて解説した本。内容はやや古く感じる部分もありますが、民話が多く収録されていて、分かりやすく読みやすいです。2022/07/11
レイト
0
世界中の妖精の伝承について詳しく書かれている。自分は『シャルルマーニュ伝説』のあとがきからこの本を知り購入したが、お目当てだったユオン・ド・ボルドーやオジェ・ル・ダノワについて知らなかった話も載せられていて満足。彼ら以外の話も興味深いものばかりなので、妖精についての本を探している方には是非読んでみて欲しい一冊です。2021/01/14
茅野
0
貰い物の1冊。一気読み。各地域の妖精神話・民話について、幾つかの物語を示しながら簡単に概説してゆく。勉強になった。2020/05/12
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