内容説明
峻峰ピレネーの山なみに守られ、はぐくまれた神秘の民バスク人は、地理的条件もあり、いまだにその特異性を保持している。とりわけ民話や伝説は、彼らの常民文化をいきいきと伝えるものである。女性的な魅力と妖怪の恐ろしさを合わせもつ妖精ラミナ、超人的な力を持ちながら無垢な子供にだまされる怪物タルタロ、そして熱心なカトリック信仰と土俗民話が結びついた奇跡物語や魔女たちの民話、バスクに親しい生きものが活躍する動物民話等々、本書は日本で初めてのフランス=バスク民話集である。
目次
妖精ラミナ
怪物タルタロ
主イエスとペテロ聖人の奇跡
悪魔と魔女たち
ことばを話す動物たち
だます者、だまされる者
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
28
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉 88 年(昭和63年)の480円の現代教養文庫初版。神秘の民バスク人の奇聞集とあり、その民話を6題に大別して32話収録。目次の後にバスク地方(ピレネー山脈付近)の地図があるがほぼ役に立たないのが笑。複数の底本から民話を抽出した訳編の堀田氏のあとがきの方が、バスクについては本編より興味深い。主イエスとペテロ聖人の項は、ペテロの性格描写に統一性が無く、幾分性悪な頭の悪い丁稚のように思える。病気で鬱の王女を笑わせる話は、想像すると確かに笑える…かな? ★★★★☆☆2025/08/03
ス
1
勧善懲悪ではない話も多くてスッキリしないけど、それはそれで面白い。ペテロ聖人の聖人じゃないっぷりが見所2012/06/30
冬至楼均
1
ペトロが気の毒すぎる。ほとんどドツキ漫才ですねえ。2011/12/13
戸塚こだま
1
ひどい話ばかりで何とも愉快。キリストのキャラクターが面白い2011/04/10
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