現代教養文庫<br> 試合―ボクシング小説集

現代教養文庫
試合―ボクシング小説集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 268p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784390111683
  • NDC分類 933

内容説明

ボクシングがまだ荒々しさだけで色彩られていた時代を、栄光に足をかけながら倒れた若者、ひと切れのビフテキのためのために勝ちを拾えなかった老ボクサー、革命のためにリングに上るメキシカン、「奈落の獣」と呼ばれた無敵の男の、それぞれの織りなす生きざまを通じて描く。ルポルタージュのパイオニア、ロンドンの異色作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田中

12
四っの短編はボクシングが題材。「試合」はボクシングの逆転性と残酷さが伝わってきます。「ひと切れのビフテキ」は若いときは知らなかったけど歳を重ねて気がつく老ボクサーの悲哀がしみじみと感じられ胸が熱くなりました。「メキシコ人」は無名な若者が革命資金を稼ぐため全てを敵にまわして戦う姿勢に痛みます。「奈落の獣」は八百長試合等の関係者の汚職を告発してます。この時代は20ランド以上とか女性の入場は禁止とか今とはずいぶん違っていることに驚きました。アッパーやフックの描写は迫力があり、スリリングな展開を味わえました。 2017/04/18

我がネコ

2
ジャック・ロンドンと言えば「犬の物語」という イメージが強く、そのテーマが何かと言えば、 「生きる」であり、彼が描く「犬の物語」からは 文字の節々からどくどくと脈を 打っているのが聞こえそうな「野生」が感じられた。 このボクシング小説集も人間が主人公ということで 野性味はないがより世俗的によった中でも ジャック・ロンドン節が感じられて楽しんで読めた。 男と女。若者。オールド。純朴さ。 拳一つ裸で戦うボクシングというベースにのって、 「生きていく」ということが生々しく感じられた。2015/12/20

やま犬

2
ジャックロンドンは白い牙(のたぶんジュブナイル)を小学生のとき読んだことがある。迫力ある話だった記憶アリ。 ボクシング小説の短編集。メキシカンとひと切れのビフテキがよかったかな。 クイーンズベリルール過渡期のボクシング。以前コナンドイルのボクシング小説よんだけど、それより少しだけ下った時代か。 合法、非合法もグレーな時代。 サリバンとかなんとなーく聞いたことある名前もちらほら。 なんのジャンルでも、黎明期(この作品はそれほどでもないが)の話は、本質を摘出しやすい気がして興味2012/10/07

代理

1
『ボクシング小説』だから勇ましい活劇を期待したら、悲しい話が多かった。どの小説も終わり方が見事。『メキシコ人』はコレがどうなってボクシングと繋がるのか別の意味でハラハラした。リングでの死だったり、ロートルの悲哀だったり、ラッキーパンチだったり、「ボクシングもの」の型がいっぱい詰まっている。面白かった。2016/01/31

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