感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
7
◆明治後期〜昭和のキリスト者・社会運動家の賀川豊彦(1888-1960)の自伝的小説。1920年刊。三部作中の一。明治学院中退後、故郷の徳島で家族問題に煩悶し、新川のスラムに住んで教化・事前活動を始め、労働運動に関わるまで。◆正直、前半の哲学問答や父との衝突、自惚れた恋情を読むのは辛い。新川に至ってからの描写は迫真で、温かみや人間臭さも感じられてよい。◆長らくの積読。地元神戸の近代についてヤクザ・被差別部落史などについて知り、仕事で界隈の社会福祉事業の一端に触れたこともあり。現地(賀川豊彦記念館)も近日。2021/03/28
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