感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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末期黄表紙集というとどこか不穏な響きもあるが、あくまでも合巻への過渡期に過ぎない。しかしながら、やはり前の三冊と比べると合巻的要素が強まっているわけで、黄表紙の面白さというものが減じているように感じられて、末期のように感じてしまったりした。詞書を尽くさなければならないということ自体がどこかもったいないというか、厳しい状況にあるのではというような気がした。『無益委記』は極端だが、短い書き入れと丁寧に描かれた絵で楽しむというのが、やはり黄表紙の醍醐味のようにも思われるし、趣向としてもちょっと好みではなかった。2013/11/08