内容説明
“悪”の心が権力をもたらすのか!?歴史を紡いだ偉人たちの実相に迫る衝撃の書。
目次
西洋編 上(ハンムラビ―同盟国を悲情にも滅ぼした;ダレイオス一世―王位の簒奪者にして偉大な王;シャープール一世―ローマ皇帝を捕虜にした;ペリクレス―自国(アテナイ)第一主義で同盟国を犠牲とした
アレクサンドロス大王―大王の激情と怒り ほか)
中東編(ムアーウィヤ―悪役にされた王者;ハールーン・アッラシード―イスラーム帝国を彩る光と闇;メフメット二世―「兄弟殺しの法令」で名を残す;セリム一世―「四万人のシーア派を処刑した」;シャー・イスマーイール―アナトリアのトルコ系遊牧民を虜にした ほか)
著者等紹介
鈴木董[スズキタダシ]
1947年に生まれる。1982年、東京大学大学院博士課程修了。法学博士。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nat
21
図書館本。「悪の歴史」という題名に惹かれて読んだが、悪というより歴史上の人物の人生についてまとめつつ、功績だけではなく裏の面もあるといった内容だった。執筆者がその人物によって変わるので、書き振りも様々だった。西洋編はローマ時代までだったので、ローマの歴史をまた調べたいと思った。中東編は地理的・歴史的知識が足りないので、難しかった。2020/08/30
ピオリーヌ
11
四冊に及ぶ悪の歴史シリーズを漸く読み終え満足。ハンムラビからユスティニアヌス、ムアーウィアからムスタファ・ケマルまで。有名な人物が多いが、知られざるエピソードも紹介され楽しく読める。ムスタファ・ケマルが宴会で暁天近く、日本大使とソヴィエト大使の二人を両手に抱えて無理矢理に別室に連れ込み、更に盃を傾けたエピソードが面白い。ケマルはソヴィエトと日本を世界に尊敬すべき国の2つ、言うなれば恩人と憧憬者であると大使二人に伝えたという。ケマルの人となりが伺い知れる。2023/10/28
遊未
6
西洋編から18人、中東編11人。それぞれに執筆者が異なります。別に悪の部分というより総括的に業績が記されていて内容に偏りがないように思いました。私は中東編はあまり知らないので、ざっと知るには良かったし、ひとりひとりは本当に短かったりするので読みやすい一冊でした。2022/07/06
aoto
4
悪というくくりで集められた世界史偉人たちのエピソード編。出典の明記があったり、少し詳しく背景が説明されていたりとwikiよりは流れを追って詳しく読むことができると感じた。冒頭に善悪は人と所と時によって変わるとあるぐらいなので、「悪」に大きな焦点が当てられているというよりは、歴史の読み物としていい感じな編纂だと思いました。別シリーズも手にとってみたい感じ。2019/09/19
うえ
2
メフメト二世や皇帝ネロなどが扱われる上巻。メフメト二世は兄弟殺しの法令で知られる。「王子たちは付き人とともに地方に送られ、県知事として帝王学を学び、父王が没すると、兄弟が争い、勝って生き残った王子が皇位に就くのが例となった。オスマン朝特有ともいえる皇位継承をめぐる兄弟殺しを法制化した」。とはいえ四代前から既に慣行化したとも言えるという。皇帝ネロは母親殺し、キリスト教徒への迫害、かつての師セネカの陰謀への加担を疑い自殺を命じるなど「多くの無実の者たちが大逆罪で訴えられ犠牲となる」。最後はローマ郊外で自死。2024/10/08