内容説明
ルイ一四世は、太陽王の名で知られる代表的な絶対君主といわれる。そしてこの時代は、フランスがヨーロッパの中心として栄えた「ルイ一四世の大世紀」といわれる。ところが、これとまったく反対に、この一七世紀は「悲惨と危機の世紀」ともいわれている。繁栄と悲惨、安定と危機、どうして相反する評価がおこなわれているのであろうか。それは、絶対王政の「建前」と実態とに大きなへだたりがあるからである。本書は漠然とした幻想を拒否し、時代の虚像と実像を描き出すことによって歴史の真実を提供する。
目次
序 この時代をどうとらえるか
1 動乱と危機の時代―少年王ルイ一四世(リシュリューと三十年戦争;マザランとフロンドの乱)
2 太陽王の親政―「朕は国家なり」(親政のしくみ;コルベールとその政策)
3 ヴェルサイユ宮殿の栄華―宮廷と古典主義(ルイ一四世とヴェルサイユ;古典主義の文学と芸術 ほか)
4 落日のルイ一四世―王と戦争と民衆(フランスとヨーロッパ;ルイ一四世の戦争 ほか)
むすび―ルイ一四世の死
著者等紹介
千葉治男[チバハルオ]
1927(昭和2)年、東京に生まれる。東北大学文学部西洋史学科卒。東北大学文学部助手、桐朋学園大学教授、成城大学教授などを歴任。2000年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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