出版社内容情報
長沢 和俊[ナガサワ カズトシ]
著・文・その他
内容説明
アジアとヨーロッパを結ぶ中央アジアの横断路―それがシルク‐ロードである。それは砂漠や高山や氷河をこえる長い険しい道だが、太古から東西文化の交流の道として栄えてきた。そこには、多くの冒険と夢とロマンがあった。本書は、この夢幻の道シルク‐ロードを、はじめて打開した張騫が、いかに粒々辛苦したか、漢の武帝以来、いかに多くの人々がシルク‐ロードの維持と経営に苦心したか、また、この交通路をめぐって、いかに華やかな東西文化の交流が行なわれたかを、幾多の事件、エピソードとともに、興味深く物語っている。
目次
1 シルク‐ロードの夜明け(シルク‐ロードとは;早く開けた西アジア;謎を秘めたセリカの国;匈奴と漢)
2 張騫の登場(アジアのコロンブス;西トルキスタンの国々;西南ルートの開拓)
3 シルク‐ロードの開花(匈奴と烏孫;張騫の第三次遣使;西域貿易の開始;西域貿易の繁栄)
4 漢の西域進出(西トルキスタンへの進出;漢の中央アジア支配;漢代のシルクロード)
5 東西文化の交流(シルク‐ロードの変遷;東西文化の伝播・交流;むすび)
著者等紹介
長沢和俊[ナガサワカズトシ]
1928(昭和3)年、東京都に生まれる。早稲田大学大学院博士課程修了。東海大学講師、鹿児島短期大学教授を経て、早稲田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
4
昔、旧版を読んだとき読み難い印象があったが、新訂版にあたる本書は読みやすく分かりやすかった。ただ、読後感は同じ。張騫に関する史料が乏しく、彼一人では一冊分は賄えず、退場(死去)の場面は本文の半分未満(101p)。張騫伝というよりは、彼を含めた漢代の西域政策の変遷といったと内容。2020/02/02
あらい/にったのひと
1
原著は72年なのでなんとまあ50年前の本であります。この本自体は改訂版として17年に出てるので、一応新しい本ではあります。原著が72年なので議論の前提が戦前だったりして古さはあるものの、先に読んでる「大月氏」や「漢代以前のシルクロード」と重なるテーマなので、相互に補完し合う感じがあって良い。日本には馴染みのないオアシスに点在する中小国家をイメージするのに好適な本ですね。歴史だけでなく砂漠化した世界を描くファンタジー/SFをテーマにしたい方の勉強用にもいいかも。2024/01/06