出版社内容情報
三宅 正樹[ミヤケ マサキ]
著・文・その他
内容説明
世界恐慌と数百万に及ぶ失業者の氾濫からの脱出を願って、ドイツ国民は、ヒトラーの率いるナチ党に期待を寄せたのである。しかし、ヒトラーは、独裁権を掌握すると、戦争への道をつき進んだ。ミュンヘン会談で回復されたかに見えた平和は、ドイツ軍のポーランド侵攻によって、わずか一年で粉砕された。とくに運命的に作用したのは、対ソ戦指令である。本書は、ヒトラーの戦争計画を史料に則して詳細に展開させ、ヒトラーと日本との関係にも日独伊三国同盟締結の過程で言及した、ユニークなヒトラー伝である。
目次
1 ドイツ国防軍とヒトラー(ホスバッハ覚書;国防軍掌握まで)
2 中央ヨーロッパの覇者として(オーストリア合併とチェコスロヴァキア解体;独ソ不可侵条約からポーランド分割へ;ヨーロッパ制覇)
3 東京・モスクワ・ベルリン(ベルヒテスガーデン会談と荻窪会談;日独伊三国同盟)
4 ヒトラー・モロトフ会談(モロトフとリッベントロップ;モロトフとヒトラー)
著者等紹介
三宅正樹[ミヤケマサキ]
1934(昭和9)年、仙台市に生まれる。京都大学文学部史学科西洋史専攻卒。同大学院、神奈川大学教授、明治大学教授を経て、明治大学名誉教授。国際政治史専攻。文学博士(京都大学)。1985年から10年間、国際歴史学会理事をつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
5
アドルフ・ヒトラーに関する書籍は数あれど、本書はけっこう変化球な部類に入ると思う。権力奪取の過程も独ソ戦もバッサリ切って、37年11月5日(ホスバッハ覚書~ヒトラーが初めて侵略計画を開陳)から40年11月13日(ベルリン会談~ヒトラーとモロトフ決裂、独ソ戦決意)までを集中的に記述。アイデアとしては面白いと思うが、一般教養書としては奇抜すぎないだろうか?2019/11/25
Masa03
1
通史じゃないのね。 20世紀最悪の独裁者が誰かは議論があると思うが、ヒトラーがエントリーしないことはなかろう。 そんなヒトラーについては膨大な研究がなされ、確実に死体が見つかっていないことから生存説、ドリフターズ説(説じゃねぇ)と色々あるが、ヒトラーが順風満帆な初期から、躓いた対ソ戦に突き進んでいった時期に焦点を当てて書かれた本書はなかなか読み応えがあった。 後書きで著者が書いているとおり、資料に準拠する姿勢が強いあまり、少し読みにくくはあるが、慣れてしまえば丁寧に資料にあたる著述に好感も持てる良書だ。2024/08/10
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