出版社内容情報
関 幸彦[セキ ユキヒコ]
著・文・その他
内容説明
古代と中世のはざまを風の如く駆け抜けた源義経。彼が生き、戦い、命を燃やした時代は大きな変革の時期にあたる。この中世の“生まれ出づる悩み”の時代、これが義経に与えられた舞台である。この舞台で義経と何を演じ、演じさせられたのか。同じ舞台に頼朝がいる。後白河法皇もいる。そして秀衡・泰衡もいる。大きな歴史のうねりの中で、生を凝縮するかのように平家とそして自分と戦い続けた“未完の英雄”源義経。彼の短い生涯は、伝説のうえで真の英雄となることで完了したのであろうか。本書はその義経の実像と虚像に鋭く迫る。
目次
1 伝説は語る(鞍馬山の遮那王;平泉での義経 ほか)
2 源九郎義経・頼朝・鎌倉(黄瀬川の対面;頼朝のけじめ ほか)
3 判官義経・後白河院・京都(一ノ谷の合戦;戦さの作法 ほか)
4 義顕・秀衡・平泉(その後の義経・静;再び奥州へ ほか)
5 再び伝説は語る(海を渡る義経;未完の英雄)
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
1952年に生まれる。1985年学習院大学博士課程満期退学。同大学助手を経て、日本大学文理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
5
少ない史料と膨大な伝説、源義経はまさに偶像化された英雄だ。頼朝との比較で面白い表現があった。「名選手、必ずしも名監督にあらず」(139p)。一武将として天才でも、司令官あるいは政治家の視点を全く欠いていると。さしずめ赤い彗星(某アニメキャラ)ならこう言うのだろう、「坊やだからさ」。2019/11/12
Masa03
0
チンギス・ハーンの前半生(笑) 判官贔屓という言葉を生むほど人気の源義経。 兄頼朝との関係から悲劇の英雄とされるが、あまり同時代の資料が残っていないことを初めて知った。 まぁ、資料が残っていないからこそ、伝説が生まれ、英雄に祭り上げられたのもあるだろう。 そう考えると、さも史実のように書いていたマンガ日本の歴史の罪は重いかも(笑)2024/03/08