出版社内容情報
篠原 愛人[シノハラ アイト]
著・文・その他
内容説明
本書は、知名度のわりに知られていない、謎に満ちたアメリゴ=ヴェスプッチの実像に迫るものである。
目次
プロローグ ヴェスプッチ問題
1 フィレンツェでの日々―メディチ家の陰で
2 セビーリャへ―ベラルディ、コロンとの出会い
3 自ら、海へ―第一回航海は行われたのか
4 一四九九~一五〇〇年―オヘーダ隊での航海
5 ポルトガル王旗のもとで―第三回航海、そして
6 再び、セビーリャへ―香料諸島をめざして
7 公刊書簡と「アメリカ」
エピローグ コロンとアメリゴの世界認識
補遺 アメリゴ=ヴェスプッチの私信(翻訳)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
47
【学校では「コロンブスがアメリカ大陸を発見した」(大いに問題のある言い方だが…)と習うのに、「発見者」に因んでコロンブスではなく、アメリカと呼ばれるのはなぜか?】初代のスペイン主席航海士の、謎に満ちた実像に迫る書。2012年刊。巻末に、年譜・参考文献・索引。<アメリゴ=ヴェスプッチに関する本が日本ではほとんど出ていない/非難されてきたように、アメリゴはコロン(コロンブス)から「発見者」の名誉を奪おうとしたのか。したとすれば、その目的は何だったのか。そもそも誰が、いつ、なぜ「アメリカ」と命名したのか>と。⇒2024/11/03
yumiha
39
アメリゴ・ヴェスプッチを知ったのは『私立探検家学園1』(斉藤倫)によって。アメリゴの名から、「アメリカ」という呼称が生まれた。でも、そのアメリゴに対して「新大陸発見の名誉をコロン(コロンブス)から奪う」という非難があることを誌友さんから教えられたので、本書にチャレンジ。ラテンアメリカ植民地時代の研究者の著者の結論から言えば、アメリゴの関心は天体観測や地理学にあり、大陸に自分の名を付けることではなかったそうだ。アメリゴ死後に「アメリカ」という呼称を作り出したのは、ラテン語教授。それが広まって定着したらしい。2024/12/01
スプリント
5
アメリカ大陸の名前の由来となった海洋冒険家のアメリゴ・ヴェスプッチの生涯とその真実を考察した本です。同時代に生きたコロンブスやカブラルなどとの関係やスペイン(アラゴン・カスティーリャ)、ポルトガル、イタリア諸国の情勢が詳しく書かれており勉強になりました。2016/07/19