出版社内容情報
西澤 龍生[ニシザワ タツオ]
著・文・その他
内容説明
ミダースとは、伝説のフリュギア王。触れるものことごとくが黄金になるよう願って散々な目にあう物語と、神様のお咎めでロバの耳を付けられてしまう物語とで、広く知られている。古代東方の大空間におけるロバ飼育文化圏の西漸という深層底流の、フリュギアは鍵を握る一翼であり、歴史上のミダースは、そこに君臨する僭主であった。物語で彼が隠そうとしたロバの耳は、往昔はむしろ王者の権標であり、威信の源であった。しからばロバが賎視の対象となるのはいつから、また何故か。ギリシア神話の一隅から、母胎となるオリエント・地中海世界の謎の一つに、広角レンズで多彩な光景を甦らせようと試みた。
目次
1 黄金のミダース(説話の風景;魔法の指輪;僭主の条件)
2 王様の耳はロバの耳(耳の懲罰;馬人ケイロンの問題;音楽の誕生とロバ飼育;ロバの西漸;頭巾と仮面;戦争と平和)
著者等紹介
西澤龍生[ニシザワリュウセイ]
1928(昭和3)年、東京に生まれる。京都大学文学部史学科卒業。筑波大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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